連載

花組トップ娘役・仙名彩世さま、星組三番手スター・七海ひろきさまのご退団に、“芸の高み”への飽くなき探究心を学ぶ

【この記事のキーワード】
花組トップ娘役・仙名彩世さま、星組三番手スター・七海ひろきさまのご退団に、芸の高みへの飽くなき探究心を学ぶの画像1

仙名彩世さまご退団公演となる、祝祭喜歌劇『CASANOVA』のリーフレット。左が明日海りおさま、右が仙名彩世さま。

【ヅカヲタ女医の「アモーレ!宝塚ショー」】特別編
花組トップ娘役・仙名彩世さま、星組三番手スター・七海ひろきさまのご退団に思う

 宝塚ファンの女医、wojoです。寒くなりましたが体調を崩されてはいませんか。肌が乾燥し、髪がパサつき抜けはじめると、ああ冬が来たなあ……と実感します。そしてインフルエンザの予防接種の患者さんがたくさん病院に来てくださるのもこの季節。内科を専門とするwojoにとっては、いわゆる“病気”ではなく来院される方とお会いする、数少ない機会です。そしてなぜか、妙に緊張します。

 さて、宝塚の世界もこの秋冬でスターさまの人事が動きました。中でも話題になったのは、花組のトップ娘役・仙名彩世さまのご退団、星組の三番手スター・七海ひろきさまのご退団です。

 仙名彩世さまは、94期生として2008年のご入団。入団時は首席でおられました。花組に配属され歌、芝居、ダンス三拍子そろった実力派娘役としてキャリアを積んでこられましたが、若手スターの登竜門である新人公演でのヒロインのポジションを一度も務めることなく、新人公演を行う最終学年である研究科7年目を終えられました。しかしながら新人公演時代には、『ファントム』でヒロインではないものの難曲を歌うカルロッタ役に抜擢。wojoは映像でしか見たことがありませんが、「研究科4年目でこれほどまでに演技の迫力・技術共にが完成した方がおられるのか!」と驚きました。

 一方、研究科6年目で、小劇場公演であるバウホール公演において初ヒロイン、その後も研究科8年で再び小劇場公演となるドラマシティ・日本青年館公演でダブルヒロイン。さらに同じく研究科8年目に永遠のトップスター・専科の轟悠さまの相手役として、またまた小劇場公演でヒロイン。要は、小劇場公演ではヒロインを何度も務めているが、新人公演では一度も務めなかった……という、きわめてまれなキャリアの持ち主なのです。

 そしてついに迎えた2017年3月、研究科9年目にして、花組トップスター、明日海りおさまの3人目の相手役に抜擢されます。トップ就任後、2018年に入ってからは、マンガ原作ファンや宝塚ファンを大興奮の渦に巻き込んだ『ポーの一族』や、命の尊さを歌い上げ絶賛された『MESSIAH〜異聞・天草四郎〜』など、話題作の成功に多大なる貢献をされております。トップ娘役としては、「これほど安定感があるトップ娘役がかつて存在しただろうか!?」と思わせるほどの安定感をお持ちです。難易度の高い歌やダンスもバンバンこなされます。そしてどんどんとかわいらしく、若返っておられると思うのはwojoだけではないでしょう。「人間ってすごい!」という感動すら覚えます。

“王道のスター路線”ではないからこそ感じられる希望

 さて、もう一方の七海ひろきさまは、明日海りおさまや雪組トップの望海風斗さま、月組二番手の美弥るりかさまなど、スターをたくさん輩出し続けている89期として2003年にご入団。宙組に配属され、そのお美しさで際立つ存在でした。スター路線を歩むかたわら、マンガやアニメ好きを公言され、そして現役タカラジェンヌとしてはきわめて異例な、声優としてのキャリアもある方です(2014年『ノブナガ・ザ・フール』のウエスギ・ケンシン役)。

 その後、2015年の研究科13年時に星組に組替え。そこからは現・星組トップスターである紅ゆずるさまを支えるスターの一群としてご活躍されてきました。2018年には宝塚歌劇団として3回目になる台湾公演に出演され、お芝居『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』では、旅の剣客である殤不患役が現地で大絶賛を浴びたと伝え聞いております。人気が高いスターさんであり、今や星組の千両役者さんです。

 スターの方々のご退団発表には、その都度懲りずにショックを受けるのですが、そして今回もおふたりそれぞれのご対談情報に衝撃を受けているwojoなのですが、なぜでしょう、「おふたりとも、これで終わりではない……」という気持ちのほうが強いのです。図らずもおふたりとも、王道のスター路線をわき目もふらず進んできた、というわけではない方々。だからこそ、宝塚退団後の道に可能性を感じるのかもしれません。

1 2

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。