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性教育の専門家に聞く。「寂しさから始まるデートDVに、性別役割分業意識が加わることで深刻なDVになる」

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性教育、デートDVについてのお話をうかがいます!

こんにちは。グラビア女優の石川優実です。2017年末に#MeTooについての記事を書いたことをきっかけに、「男女平等」「人権」「フェミニズム」「ジェンダー」、そのようなものに興味を持ち始めました。この連載では、いままで無知だった私がさまざまな専門家の方々にお話をうかがい、どうすれば傷つく人たちが減るのか、被害が減るのか、すべての人が自由に安全に生きることができるのかを考えます。

今回は、岡山県にある「ウィメンズクリニック・かみむら」のドクターであり、年間約100校で性教育・デートDVについての講演を行っている上村茂仁さんにお話をうかがいました。上村さんは、著書『恋するきみたちへ。ちっちゃい先生からのメッセージ』(ふくろう出版)で、10代の子どもたちからの質問や悩みに専門家として愛のある言葉を送っています。

中学生に避妊を教える意味

ーー上村さんが学校などで性教育の講演をするようになったきっかけを教えてください。

上村:僕のクリニックは便利な場所にあるので、若い子たちがよく来ます。ある日養護教諭の方がいらっしゃって、「こちらの病院は外来で若い子をよく見かけますね。うちの学校に来て、若者を取り巻く性の現状を生徒たちに話してもらえませんか?」といわれたことがきっかけです。

講演では、「愛がどうこう」とかいうオブラートに包んだきれいな話ではなくて、現実にこういうことが起きていて、気をつけないとこうなるぞという具体的な話をします。すると子どもたちのウケがよかったんですよね。性教育というのは文科省が定めてる基準があるので、学校側が行うにはいくつもの壁があるんですよ。だから慎重になる。でも僕のような立場なら講演で、中学生に教えてはいけないとされている避妊のことなども教えられるのです。

ーーえっ、中学生に避妊は教えちゃダメなんですか?

上村:ダメなんですよ。なぜなら「中学生は性交をしてはいけない」から。性交をしない人たちに避妊を教える必要はないですよね。

しかし、もし仮に「中学生は性交をしない」のだとしても、家から出たことがない小さな子どもに、「お外へ出たら、赤信号で渡ってはいけませんよ」と教えることは何も悪いことではないわけです。同じように、「おっしゃるとおり中学生には性交はありません。だとしても、避妊の方法などは予防的知識として絶対に必要なことです。中学は義務教育の最後なんですから、ここで教えておく必要があるんじゃないですか?」という観点で講演しています。性教育はワクチンみたいなもので、起きたら困ることを未然に防ぐためにあります。

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