7割が不満は直接伝える
さらに、「出産後に夫婦で意見が食い違うことはあるか」について聞くと、「とてもある」(10.9%)、「まあある」(38.0%)と半数近くが「食い違いがある」と答えた。食い違いの内容だが、「しつけなど子育ての方針の違いについて」(56.2%)、「子育て/家事の役割分担について」(52.1%)、「お金の使いみちについて」(43.9%)と、育児に関する内容が多い。
また、父親への不満を感じた際の対応は、1位が「夫へ不満を伝えている」(68.6%)、2位が「苛立ちを態度に出している」(49.4%)、3位が「友人や知人に話を聞いてもらう」(45.4%)となり、直接不満を伝える母親は多いようだ。
そして、「夫婦の関係性を良好に保つために心がけていること」という質問に、「相手に不満を伝える(話し合う)」(30.9%)、「夫に感謝を伝える・褒める」(19.4%)とコミュニケーションを取ることを挙げる人が多かった。ただ、「夫へ期待しない」(9.3%)、「自分が我慢する」(3.4%)といった意見もわずかだがある。
<喧嘩ではなくて、あくまでも話し合って解決したいからというスタンスを主張しつつ、定期的に喧嘩して爆発させてもらっています>
<どちらかだけが我慢するのではなく、気になることがあれば話し合うこと。その際になるべく冷静に、逆の立場ならどう思うか想像してもらうように話しています>
気軽に話し合うことができる雰囲気作りが大切なのかもしれない。
<小さな事でもやってくれたら、ありがとうと伝える>
<1つ指摘するときには、1つ良いところを見つけてから落ち着いて話しだし、とにかく「いつもありがとう」と繰り返す。夫の自信を育てていけるような声かけを…>
女性から男性への“配慮”を苦々しく思う読者もいるだろうが、日常の当たり前を当たり前と思うのではなく、感謝する気持ちを持つことが大切なのは、片方の性別に限定した話ではない。
事前に役割負担について充分な話し合いを持ち納得している家庭は別だろうが、それをせずに家事や育児の負担を女性にばかり偏らせることは、離婚リスクを高める要因になるだろう。ただ、育休が取得できなかったり、長時間労働が常態化していたりなど、家庭での役割を担いたくとも難しくジレンマに苛まれる父親もまだ多い。
結局のところ、家庭内の些末な問題と捉えていては解決しない問題だ。この社会に広く形成されてきた男女観を、柔軟に変化させながら働き、休むこと。社会全体で考えなくてはいけない問題と言って良いだろう。
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