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日本初!筑波大学に学生御用達の完全キャッシュレスのスーパーマーケット

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筑波大学にオープンしたスーパーマーケット「カスミ筑波大学店」

 今秋、茨城県つくば市の筑波大学に、「カスミ筑波大学店」がオープンした。大学のキャンパスに、コンビニや生協は珍しくはないが、スーパーマーケットが出店したのはおそらく初めてだ。

 緑豊かな広大なキャンパスの一角に、スーパーマーケットらしくないリゾート感覚あふれる建物が出現し、連日、数多くの学生で賑わっている。 

 筑波大学は、学生、教職員の福利厚生と利便性の向上を目的に、カスミに出店を要請、これを受けて、カフェ「サザコーヒー」ともに、「筑波大学ショッピングプラザ」に出店した。

従来の発想にとらわれず柔軟に対応

 大学のキャンパスという今まで経験したことのない場所に出店するため、従来の店づくりのノウハウは使えない。開店1年前から、女性店長が大学生のマーケットニーズを探りながらキャンパス内を歩き回り、徹底的にマーケットをリサーチした。さらに通行量調査も行い、何が求められているかを把握し、店舗の設計、品揃えなどで、従来の発想にとらわれず柔軟に対応した。

 スーパーマーケットは週末が稼ぎ時だが、キャンパスは日曜に授業がないため休業日とした。営業時間も、平日は朝8時~夜9時、土祝日は朝10時~夜7時と学生の行動パターンに合わせた。昨今はパートやアルバイトの人手不足が深刻だが、日曜日を定休日としたことで、通常より3倍の応募があり、雇用を確保できたという思わぬ副産物もあった。

 学生が主に利用することから、抵抗感なく自由に使いこなせる可能性が高いと考え、レジはすべてセルフレジとした。支払いは、クレジットカードや電子マネー決済など、現金を一切使わないキャッシュレス精算とし、待ち時間の短縮化も図った。オールキャッシュレスのスーパーマーケットもおそらく全国で初めてだ。

大学ならではの独自サービスも充実 

 接客や案内を担当するアテンダントを1名配置したが、セルフレジ化によりレジのチェッカーは不要となった。発注も自動化し、商品の消費期限などの日付チェックもITを活用。部門の壁を取り払い、複数の仕事をこなすマルチタスク化も導入した。その結果、正社員は店長のみで、パート・アルバイト数は10名と大幅に削減できた。

 一方、学生生活をサポートするため、サービス機能を充実させた。学生同士や教職員のコミュニケーションスペースとして、FREE WI-Fiが利用できる、ハンモックも備えたテラス席44席、店内31席のイートインコーナーと、簡易キッチンを備えた8席の多目的スペースを設けた。200坪クラスのスーパーマーケットでは異例の広さだ。

 イートインコーナーには、部屋探しのためのセルフ不動産検索機、店内入口付近には、スマホ充電器シェアリングサービス「ChargeSPOT(チャージスポット)」を設置。店舗横には、宅配便ロッカーも用意した。

 学生がキャンパス内を自転車で移動することが多いため、無料の空気入れスタンドを用意。新入学シーズンには「イオンバイク」が自転車を販売し、そのほかにも定期的に出店、パンク修理も行う。カラーボックスなど小物の家具も展示し、注文を受け付けるなど、学生生活の需要に対応している。

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西川立一

株式会社ラディック代表取締役。流通ジャーナリスト。マーケティングプランナー。慶応義塾大学卒業。大手スーパー西友に勤務後、独立し、販促、広報、マーケティング業務を手がける。流通専門紙誌やビジネス誌に執筆。流通・サービスを中心に、取材、講演活動を続け、テレビ、ラジオのニュースや情報番組に解説者として出演している。

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