資金募る「声かけ写真展」、なぜ開催してはならないか

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「声かけ写真展」は子供の権利を尊重していると言えるのか

 2016年に開催された「声かけ写真展」では、過去に撮影された少女の写真を運営側が勝手に焼き増しし、販売していた。写真はデータでも配られていたようで、ネット上に拡散される危険性もあった。

 また、ホームページでは声かけ写真の募集も行っているが、そこには「写真は被写体に声をかけ本人の同意を得たものに限ります。親権は同意を意味しません」と記載されている。つまり、撮影者が子供から許可を得たものであれば、保護者の許可がなかったとしてもよいということになる。

 これは一見すると、子供の判断力を尊重しているかのように取れ、また、親など保護者が我が子の性を売り物にすることを防ぐ側面があるかのように錯覚してしまうこともあるかもしれないが、単純に「子供を子供として尊重しない」と宣言しているにすぎない。

 「写真を撮らせて」と声をかけられた子供は、その写真がどのような目的で使用されるかを把握していない。少なくとも、ネット上にばら撒かれ不特定多数の人の目にふれる危険性があるということまで認識した上で、撮影の有無を判断できはしないだろう。そして、大人からの要求を子供が強く拒絶することができるか、という問題もある。「怖い」という気持ちから、YESと言わざるを得ない場合も想定される。

 保護者の許可なく子供の写真を撮影、展示、販売することは怠慢であり、子供の人権を軽視することに他ならない。

 「声かけ写真展」のホームページには、「声かけ写真はフィルム式コンパクトカメラが普及した1970年代から数十年にわたりアマチュア写真家に好まれたテーマで、中でも街角に遊ぶ少女は格好の被写体でした」とあるが、それが容認されていたことは「おおらかな時代だったから」ではなく「子供の人権を意識する社会ではなかったから」である。

 「声かけ写真展」を支持する側としてみれば、個人の趣味領域を不当に侵害され、妨害を受けていると不快に感じているだろう。しかし現在はもう、「子供に声をかけて写真を撮る趣味」が、個人の趣味かつアートであるとして理解を得られる時代ではない。子供にも人権があり、毀損されてはならないことを、私たちは共通認識として持つべきだ。

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