ダイナースカードの広告炎上が孕む、何重にも頭の痛い構造の問題

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問題の広告記事「美人秘書たちの本音トーク炸裂! いま男性が持つべきクレジットカードとは?」より(ぼかしは編集部加工)

 男性ファッション誌「GOETHE(ゲーテ)」(幻冬舎)のウェブ版に掲載されたクレジットカードの記事広告がネットで大炎上し、たった6日間で削除された。

 炎上した記事のタイトルは、「美人秘書たちの本音トーク炸裂! いま男性が持つべきクレジットカードとは?」。広告記事の冒頭に記されているように、これは三井住トラストグループが発行する「ダイナースークラブカード」のスポンサー記事だ。

 さて内容は、実在する企業の「美人秘書」3名が、「男性が持つべきクレジットカード」について座談会形式で語り合うというものだった。しかし「美人秘書」たちは、なかなか手厳しい“審査”を行う。

 「通販サイトのカードでいばられてもね(笑)。」「男性が交通系の機能がついたカメラ屋さんのカードで支払っていたときは、気まずく感じてしまって見ないふりをしました(笑)。 」「百貨店とかスーパーとかのカードしか持っていないと、『この人は何にもこだわらない人なんだろうな』と思っちゃう。 」……これらの発言には他社のカードやその所有者を貶めるような意図が含まれており、その一方で、ダイナースカードを所有する男性は素敵、と賞賛するというオチだった。

 この広告がSNSで話題になるや、「格式を謳うくせに下品すぎる」「ダイナース使ってるほうが恥ずかしい」「むしろダイナースを辞めたくなった」などと大批判を浴びて炎上。広告記事は11月20日に公開されたばかりだったが、26日には削除されている。ちなみにこの広告は、若い男性ユーザー層をターゲットにしたものだったという。

ダイナースカードの広告はどこがまずかったのか?

 若者に対して憧れのカードとして訴求するはずが、格式やブランドを著しく損なってしまう結果となったダイナースカードの記事広告。なぜこれほど大炎上してしまったのだろうか? ウェブ上には広告記事がごまんとあり、他社のサービスや商品を貶めて自社の魅力をアピールする類のものも少なくはないにも関わらず。

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