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米倉涼子の人気ドラマ『リーガルV』のミソジニーな描写も「分かりやすさ」として消費されることが怖い

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『リーガルV 元弁護士・小鳥遊翔子』公式サイトより

 米倉涼子の主演ドラマ『リーガルV〜元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日系)は、全く安定している。平均視聴率は15%前後を推移しており、『ドクターX』同様、固定ファンをがっちり獲得したようだ。物語の複雑性を極力排除し、ラストではスカッと事件を解決する分かりやすさ点が人気なのだろう。

 その「分かりやすさ」だが、一方で登場人物の描き方がステレオタイプに偏り、「嫌な男」「悪い女」といった単純な「悪」を表現した上で、正義の米倉涼子が成敗する……というパターンに陥っていると言うことでもある。それのどこが悪いのか、時代劇のようなものでお約束だからいいんだよ、といった意見は当然あるだろうし、それが求められているから視聴率も高いのだろう。

 しかし、現実にも存在する社会問題を毎回取り上げながら、ステレオタイプな描き方に終始する『リーガルV』の「分かりやすさ」は、いったい誰にとってのものなのか。現実の社会問題に対する視線まで、歪ませてしまいかねない描写になっていないか。そのことがどうしても気にかかる。高視聴率のドラマだからこそ、なおさらだ。

『リーガルV』テンプレ設定のどこがいけないのか?

 例えば第1話で扱われたのは、痴漢冤罪事件だった。翔子(米倉涼子)にスカウトされた若手弁護士・青島圭太(林遺都)が出勤中、会社員男性(児嶋一哉)が痴漢を疑われ駅員に取り押さえられている現場に遭遇。無実を訴える男性だが、痴漢冤罪で無罪を勝ち取るのは難しく金にもならないとして、翔子は示談を促す。しかし気が変わり、無罪を目指して暗躍する翔子は、警察調書の矛盾点をあげつらい冤罪を証明した。痴漢事件は、被害者を装った女性と、共謀男性とのでっちあげだったというオチだ。

 この展開を「分かりやすくて痛快」と好意的に受け止める感想は多かったが、痴漢冤罪という「ネタ」を軽く扱い、痴漢被害を矮小化してしまうストーリーには不穏な感情を覚えた。視聴者の感想として、痴漢被害をでっち上げる女性への罵倒や嫌悪感はあれど、女性とグルになった男性への反応が目立たないことも気になった。

 そして11月22日放送の第6話のエピソードは「婚活詐欺」。1話完結ではなく、29日放送の7話まで引っ張る。

 第6話で翔子の事務所にやってきた相談者の塩見(矢部太郎)は、婚約者に勧められて土地を3000万で一括購入したが、そこは騒音が酷いなど劣悪な土地だった。しかし引き渡し済みだから契約解除も不可能、おまけに婚約者名義となっているため、塩見が仲介業者を訴えようにも難しいのだという。婚約者・夏純(逢沢りな)に連絡を入れるも音信不通。翔子をはじめとする京極法律事務所の面々は、これは詐欺だと確信する。

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