IZ*ONEというグループが現在持つ大きな特徴として、メンバー間の仲の良さを押し出すところがある。V LIVE(K-POPアイドルがよく使う動画配信サイト)や、サイン会(韓国で行われているIZ*ONEのサイン会は撮影可能)では、メンバー同士がふざけ合う様子がしばしば見られる。
WIZ*ONE (IZ*ONEのファンの総称)はそうした姿を見ることに楽しみを見出し、「宮脇咲良とイ・チェヨン→チェクラ」「宮脇咲良とキム・イェナ→Tom & Jerry」「アン・ユジンとキム・ミンジュ→ミンジン」など、仲良しコンビにはすでに固有の愛称が付けられている。
『新大久保とK-POP』(毎日コミュニケーションズ)などの著作があるライターの鈴木妄想氏は自身のブログのなかで、IZ*ONEのそういった姿には、ただ「メンバー同士の仲が良い」以上に、とても大きい意味があると記している。
<アイドルグループ内で仲がいいなーってのはあるけど、ここまでイチャイチャされると爽快感がありますよね。そして、そこがグループのキモなのかも、とも思いました。
なんせ日韓交えたメンバー構成だから、いろいろリスクもあるし、懸念もあるし、雑音も多いじゃないですか。
(中略)
でも、IZ*ONEのメンバーがこうやって日々いちゃついて、お互いの言葉を覚えて、一緒に生活して活動して、お互いに笑い合っているっていうのは、何よりも説得力と重みのある事実なんじゃないかなーと思います。
なんていうか、これは武器ですよ。韓国のアイドルグループに日本人メンバーがいる、という構図とはまた違うし。対等さと、双方へのリスペクトがある。
(中略)
何があっても、どんな時も仲良くイチャイチャする、それがIZ*ONEの最大の武器であり、唯一の選択肢なのだと思います>
『PRODUCE 48』時代からあった日韓メンバーの友情
この傾向は、グループが発足する以前からあったものだ。
IZ*ONEは、韓国で人気のオーディション番組『PRODUCE 101』(Mnet)のシーズン3として製作された『PRODUCE 48』(2018年6月15日〜8月31日放送/Mnet)から生まれたグループ。
『PRODUCE 48』は、『PRODUCE 101』とAKB48グループがコラボして生まれた番組で、韓国側の練習生とAKB48グループからやって来たメンバーが混ざって合宿しながらオーディションを受ける様子が放送された。
番組では、先生からの強烈なダメ出しに涙したり、過酷な練習になんとかついていこうと必死になる姿(1日のレッスン時間が18時間以上の日もザラにあったという)が視聴者の感動を呼ぶ。