ASKAが私たちから奪ったもの――愛する男を愛する気持ち、ファン仲間との楽しい時間、輝いた青春時代

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ASKAに夢中だった青春時代を汚された。それでも……

 今回話を聞けたのはすべて、ドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ系)の主題歌「SAY YES」をきっかけにASKAファンになったという女性たちであった。1991年、GHAGE and ASKAは同曲で、デビュー12年目にして初のシングルチャート1位を獲得。累計売上枚数280万枚以上という大記録を樹立し、一躍スターダムを駆け上がった。

「『SAY YES』を聴いて、一瞬で恋に落ちました。初恋でした。曲も声も顔も大好きで、結婚したいって本気で思っていました。ASKAが使う言葉は少し詩的で難解で、それがまたアーティストっぽくてカッコよかった」と話すのは、39歳の女性・Kさんだ。

「その翌年にリリースされたベストアルバム『SUPER BEST II』は、今でも愛聴しています。『SAY YES』、『WALK』(1989年)、ASAKA名義の『晴天を誉めるなら夕暮れを待て』(1995年)……あの頃の曲がやっぱり好きなんですよね」

 Kさんは、ASKAに恋をした12歳のとき、お年玉をはたいてファンクラブに入会。“好きな男”の言葉を毎日繰り返し読んでいたそうだ。

「見返すことはないけど、その頃のファンクラブの会報は今でも捨てられないんですよ。ASKAは私の青春そのものだったから。だから、あの事件について知ったときには、目の前が真っ暗になりました。ASKAに夢中だった自分の10代が汚された気がして……。裏切られたんですよ。今でもあの時期のことを思い出すとつらいですね」(同)

 ただ一方で、ASKAとの“蜜月”を反芻するように、昔の曲をより頻繁に聴くようになった自分もいたのだという。では、最近の楽曲についてはどう思っているのだろうか。

「実は復帰のニュースを聞いて、一度だけYouTubeで『虹の花』という曲を聴いてみたんです。そうしたら、意外と悪くなかったんですよね。ただ、なんというか雰囲気が身近だったせいか、好きだったあの頃のASKAの世界は感じなかったかな。昔は、もっと言葉選びの感覚が研ぎ澄まされていて、孤高な存在感があったんです」(同)

 とはいえ、KさんはASKAに曲を書き続けてほしいと願っているそうだ。Kさんが望むのは唯一、「いい曲を書いてくれること」だけなのだ。

「私の大好きなのは、次々に新しい曲を世に出し続けていくASKAなんです。いい曲さえ書いてくれれば、曲も買うし、コンサートにも行くかもしれない。昔のヒット曲にすがるのなんて誰でもできるけど、そんなASKAなんて見たくない。ASKAは才能がある人なんだから、『できるでしょ』って思うし、これからはまじめに取り組んで勝負してほしいと心から思っています」(同)

 ASKAを愛した女たちが抱くのは、愛情ゆえの憎悪と、そして一縷の希望。ASKAは、その思いに応えることができるのだろうか。

(文/左 団扇)

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