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パワーカップルは「夫婦のマイノリティー」 平成も終わるのに昭和の価値観で足を引っ張られる夫婦

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パワーカップルの定着はいいことづくし

 データからもわかるように、「お金を使う夫婦」ということであれば、企業がパワーカップルに目を付けるのは当然のことですが、国も自治体も個人も注目していくべきだと考えています。

 企業にお金が入ってくることは、雇用の拡大、賃金増に繋がります。設備投資により、企業活動の活動を広げること、株価の上昇などによって、いい循環が起こることは目に見えています。経済の拡大に繋がっていくことは、今の日本にとってもありがたいことです。記事の見出しにも「企業が熱視線」をありますが、もっとこのパワーカップルの支出を拾っていくべきでしょう。

 国や自治体としても、「扶養の範囲」を超えて夫婦が稼いでくれることで、税金や年金、各種保険料など収入も増えます。

 企業、国や自治体が潤うことは、個人にとっても、企業からの給料、年金や医療・介護保険、その他公的機関からのサービスの充実に繋がるので嬉しいことです。

 また、独身推しではなく「カップル」というところもミソです。カップルは独身よりは少子化対策にも結び付く可能性が高いでしょう。企業にとって、人口増加は、すなわち購買者増ですし、国や自治体にとっても収入増となります。

パワーカップルにまつわる心配事

 パワーカップルについて三方良しの趣で書いてしまいましたが、心配事もあります。それは、「健全なパワーカップル」が育つのかという問題です。

 記事にはパワーカップルの特徴について以下の4点が記載されています。

・「時短」「外注」「備え」消費に意欲的
・ワークライフバランスや余暇も重視
・新商品への感度が高い
・SNSで積極的に情報発信

 4点は、確かに納得できる気もしますし、明るい日本の未来の牽引役になっていく要素は十分だと思います。でも、一方で、「ひがまれそう」とか「私たち夫婦、軽くバカにされているんですかね」と感じるパワーカップルもいるのではないでしょうか。

 そもそも、妻は家事、節約が任務であり美徳とする昭和風の考え方がまだ根深く残っている日本。「時短」「外注」や新商品にお金を使うことを良しとする風潮が定着し、目指すべき姿になっていく未来は近いといえるのでしょうか。

 また、今は「リア充」や「意識高い系」を冷笑する層が非常に多くいます。お金持ちへの批判も根強い印象があります。消費やワークライフバランスの充実ぶりをSNSで積極的に発信する気持ちは萎えていかないでしょうか。

 空気を読むパワーカップルであればあるほど、本来三方良しの源となるようなアクションに対し慎重になってしまうような気がしてなりません。昭和が作り上げた夫婦の理想像と平成の冷笑が、未来の健全なパワーカップルの足を引っ張る可能性があると筆者は考えています。

 そして、流行語的にもてはやされただけの「一発屋パワーカップル」は、お金を使いまくって、老後に破綻してしまうという悲劇もあり得ます。共働き夫婦は世帯収入の割に貯蓄が低過ぎるケースも多く見られるからです。

 一個人として健全なパワーカップルを育てて増やしていくためにできることは、簡単に言うなら「パワーカップルの邪魔をしない」ことでしょう。「お金があるからいいんじゃない?」「いいもの持ってるよね」なども嫌味になり得ますし、「リア充自慢」は悪口です。パワーカップルがたくさん消費していようと、あなたのお金を勝手に使っているわけではありませんし、パワーカップルがあなたの楽しみを奪っているわけではありません。また男女問わず「できれば専業主婦に」という発言にもナーバスになるべき時代だと思います。将来を生きる子ども達に昭和が作った理想と平成の負の力を植え付けないことも今できることです。

 パワーカップルは現状のところ夫婦のマイノリティーだと考えています。まだまだ少数派のパワーカップルですが日本にとって重要な人達です。そんな夫婦がもっと暮らしやすくなること、もっと増えていく社会になることを願います。

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