社会

教育現場のICT化、地域間格差が浮き彫りに 北海道の8割は「取り組みを行っていない」

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教育機会の地域間格差が加速する

 教育現場のICT化はいいこと尽くしに思えるが、現状、すでにある問題が浮上している。<先端技術の活用によりすべての児童生徒に対して質の高い教育を実現することを目指します>と掲げる「柴山・学びの革新プラン」ではあるが、すでに“地域間格差”が明るみになっているのだ。

 文部科学省が今年3月、全国の教育委員会を対象に実施した「教育委員会等における小学校プログラミング教育に関する取組状況等」を参照すると、その新たな格差が浮き彫りになる。調査結果によると、「ステージ0(プログラミング教育に関して特に取組みをしていない)」の割合は、「北海道」(82%)が最多。以降、「東北」(73%)、「九州沖縄」(64%)、「中部」(59%)、「四国」(56%)、「近畿」(48%)、「中国」(40%)、「関東」(34%)と続いた。

 一方、「ステージ3(プログラミング教育に関する授業を実施している)」では、「関東」(26%)が最も多く、「近畿」23%、「中国」18%などが並んでいる。やはり、首都圏の方がICT化へスムーズに対応しており、その一方で地方、とくに北海道は大幅な遅れを取っていることが明らかとなってしまった。すでに、大きな地域間格差が生じているのだ。

 「プログラミング教育の実施に向けた取組をしていない理由」を見てみると、「プログラミング教育の趣旨、目的、基本的な考え方などの情報が不足している」(64%)、「教育委員会内部で、プログラミング教育を担当できる人材が不足している」(53%)、「プログラミング教育を推進するための予算(ICT機器等の整備等)が不足している」(45%)などが票を集めている。

 それぞれの地域や学校によって、理由はさまざまだろうが、地域間格差を解消する目的でスタートしたはずのICT化が、地域間格差をより顕著にするという、皮肉な状況になりつつあるようだ。

 2020年からは、ICT教育の一環として小学校でプログラミング教育が必修化されるが、こうした格差が存在する以上、果たして一律の効果を得られるかは疑問だ。教育の機会は平等であり、性別や国籍と同じく、居住地域の違いで不均衡が現れてしまう現状は是正の必要がある。今後、文部科学省はさらなる改善に乗り出すことになるだろう。

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