「シェアリング」は日本に古くからあるビジネスモデルだった

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  「たかが言葉、されど言葉」というマーケティングの真髄がここに表れている。筆者が知る限り、「カーシェアリング」という言葉を普及させたのは、パーク24が運営する「タイムズカープラス」である。パーク24のカーシェアリングは、レンタカーの使いにくさを解決して新たな顧客を創造したものだ。

 レンタカーは借りる期間が最低でも半日単位と長く、たとえば1時間だけ借りたい人も半日分の料金を支払わなければならないという不便さがあった。また、レンタカー事務所は主に鉄道の駅に隣接しており、気軽に借りに行くには不便であった。もちろん、レンタカーは、駅で降りてから車を利用したい人をターゲットにしているからではあるが。

  そうした問題点を解決したのが「タイムズカープラス」だ。駅ではなく、近所の「タイムズ」にある車を気軽に借りられる。予約しておけば、人を介することなくスムースに借りられるし、返すこともできる。借りる時間も15分単位と顧客に親切だ。しかもガソリンを入れる必要もない。このように、「タイムズカープラス」は、従来のレンタカーとはまったく違うビジネスモデルといえる。だから、レンタカーという“手垢のついた”言葉を使ってしまうと、既存のイメージに引っ張られてしまう。そこで、「カーシェアリング」という言葉をあえて“開発”したのであろう。

プラットフォームの上にプラットフォームを構築する…巨人の肩を利用する

 パーク24がこのようなビジネスモデルを提供できたのは、タイムズ24という駐車場のプラットフォームをすでに構築していたからだ。駐車場のコンビニを目指すという方針通り、タイムズ駐車場の拠点数はセブンイレブンの店舗数とそう変わらないほど多い。近くにあって便利なのだ。

 タイムズの駐車場も、既存の駐車場とは一線を画すビジネスモデルを展開している。土地は所有せずに借りている。武器は、すべての駐車場の稼働率を把握するTONICという情報システムだ。しかも稼働率の定義がユニークだ。稼働率の分母には実際に24時間停めた場合の売上高を、分子には実際の売上高を持ってくる。そして、稼働率の最適値は47~48%と極めて低く、かつ狭い範囲に設定している。この数値は、駐車場がいつも1~2台空いているようにするためである。

 タイムズは、価格やレイアウトを変更するなどの方法で稼働率が最適値になるようコントロールしている。それでも稼働率が最適値より高い場合、そこにニーズがあると判断し、新たな駐車場を確保するべく営業が土地を探すという仕組みだ。

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