隠された日米通商交渉の衝撃度~日産ゴーン逮捕の背景にトランプの思惑か

【この記事のキーワード】

自動車だけでは済まない

 日本の対米黒字は2017年で約7兆円ですから、自動車業界が全面的にトランプ政権の言うことを聞いて、4兆6000億円の対米黒字をなくしたとしても、まだ2兆円以上の対米黒字が残ります。政府は農業分野でも関税を引き下げ、米国に開放する意向ですが、それでも2兆円以上の穴は埋まりません。そこで政府は、米国のF35戦闘機を100機購入する案を提示しました。これだけで約1兆円の黒字削減になります。

 あらゆる手を尽くして、対米7兆円の黒字をなくすことになれば、それだけ日本の所得が減ることになり、自動車や農業部門を中心に、日本全体の景気が悪くなります。政府は来年10月の消費税引き上げを表明していますが、それどころではなくなります。現在、消費税の引き上げが景気を冷やさないよう、すでに多くの景気対策、消費支援対策が検討されています。

 一見、消費税対策としては、かなりの大盤振る舞いで、結果的に財政赤字が拡大するとの批判が出るほどですが、その裏には、対米通商交渉の結果、日本の景気が冷え込むことを見越して、あえて積極的な需要追加を打ち出しているとも考えられます。しかし、自動車税の軽減くらいでは、とても自動車業界の損失は埋まりません。安倍政権と、これを支えてきた自動車業界との信頼関係が揺らぐ可能性もあり、政権にも大きな打撃になります。

1 2 3

「隠された日米通商交渉の衝撃度~日産ゴーン逮捕の背景にトランプの思惑か」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。