結局、「朝食を抜くと太る」は本当なのか? 朝食を売りたい食品メーカーのバイアス

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食品会社が介入する研究には先入観がある

 このような「朝食を抜くのは健康に悪い」とする、ヒトを対象にした研究は多い。

 たとえば、2013年に米心臓学会の「サーキュレーション」誌に掲載された研究論文によれば、「朝食を取らない男性は、朝食を取る男性よりも冠動脈性心疾患のリスクが著しく高い」と発表している。

 だが、2013年に米臨床栄養協会の「アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション」誌は、朝食が肥満に与える影響に関する文献を見直したところ、「朝食を抜くことと肥満の間に相関関係があるという研究結果は無数に存在する」が、あくまで相関関係であり因果関係はわからないことを指摘している。

 つまり、このような「研究成果」は、朝食を抜くことと肥満の間に因果関係があると決めつけがちで、因果関係があるような表現で先行研究を引用しやすい。さらに研究の多くは食品業界が委託している場合が多く、バイアスがかかりやすいことを示唆している。

 たとえば、ケロッグは「朝食にシリアルを食べれば体重減の間に関連性がある」とする研究に資金提供している。また、花王ヘルスケア研究所は「朝食を食べない人や夜遅い時間に食べる人ほど、内臓脂肪がつきやすい」と発表している。

 つまり、このような食品会社が介入している研究発表は先入観が入った研究になりやすい。

 したがって、「朝食抜くと太る」に関する研究は、ランダム化比較試験はほとんどないため、朝食と肥満の関連性は前向き臨床研究(追跡調査)によって検証すべきだ。

ときどき朝食を食べない群は、朝食をほとんど食べない群よりも肥満が多い?

 また、栄養学術誌『The British Journal of Nutrition』の研究によると、被験者を1日3食と6食のグループに分けて追跡したところ、摂取カロリーと栄養価の総量が同じならば、代謝量も変わらなかった。

 臨床栄養学の学術誌『The American Journal of Clinical Nutrition』によれば、ボランティアの被験者を朝食を食べるグループと食べないグループに分けて調べ、16週間後に身体測定を実施したところ、有意な体重減少は見られなかった。グループ全体では、朝食を抜いても食べても体重に変化はなかった。

 さらに、富山県在住の全児童10,117人を対象に質問票と身体測定による調査を行った富山スタディによれば、特に母親が肥満なら児童の肥満の発生率が高かった。また、朝食を毎日食べている群よりも、ときどき食べない、ほとんど食べない群に肥満が多かった。ほとんど食べない群より、ときどき食べない群のほうが肥満の発生率が高かった。

 さて、最初に紹介した研究はラットのよる研究であり、人間とどこまで同じであるかはわからない。ただし、食品メーカーのバイアスなどはかかっていないようだ。

 研究自体は多いものの、朝食を抜くのは健康に悪いか、いいのか最終的な決着は未だについていない。古来の言い伝えに従うか、最新のラットの研究を信じるのか、あなたの健康状態やリテラシーによって決めるほかないかもしれない。

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