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成田国際空港から京成電鉄・東成田駅まで歩いてみたら、成田闘争をしのばせる“秘境駅”だった

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成田国際空港から京成電鉄・東成田駅まで500メートルを歩いてみる

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空港第2ビル駅は、JRと京成の改札が並ぶ。

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セキュリティチェック跡を抜けると、東成田駅への通路が。

 実は空港第2ビル駅と東成田駅は、地下通路でつながっている。ターミナルから空港第2ビル駅へと向かい、右手にJRと京成の入口改札を見ながらさらに奥に進み、右に向かう。かつてセキュリティチェックのあったところを抜けると、JR・京成の出口用改札がある。

 その反対側に突如として現れるのが、地下通路の入口だ。近寄ってみると大きな看板があるのだが、なぜかとても目立たない位置にある。東成田駅へと徒歩で行く人などほとんどいないのだから、当然といえば当然だ。

 数メートル進むと突き当たり、左に折れる道がある。下り坂を延々と進むと上り坂になり、再び延々と進むと、今度は右に折れる。つまり曲がり角が2つあるだけの、ひたすら無味乾燥な地下道がずっと続いている。もちろん誰ともすれ違うこともない。

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入口付近に案内板があるので、構造は丸わかり。

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入ってすぐに曲がり角。左に曲がり……。

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下り坂をひたすらまっすぐ進み、ほぼ同じ長さの上り坂を上る。

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2度目の曲がり角の先には、駅らしき施設が見えてくる。

 トンネルを抜けると、駅施設が見えてくる。東成田駅は駅員こそいるものの簡素な印象で、節電のためか構内は全体的に薄暗く、冷暖房も稼働していない。

 現在はこの東成田駅から芝山鉄道線が延長され、直通運転が行われているため、終点駅ではなくなったが、利用者が増えている様子もない。もはや秘境駅といってもいいほど、寂しい雰囲気だ。

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東成田駅の改札口。自動券売機と自動改札があるだけだ。

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京成東成田線は現在、芝山鉄道線と直通運転が行われている。

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利用者が少ないためか、エスカレーターも動いていない。

 ただ、旧駅のにぎわいをしのばせる遺構はそこかしこにあって、意外に楽しめる。入場券を買って改札内に入ってみると、仕切りの奥には喫茶店やショップなどの跡地が見える。ホームに降りてみると、使用されているのは1・2番線(旧3・4番線)だけ。ホーム長は長く、幅も広い。明らかにオーバースペックなのは、ここが成田空港の拠点駅だった証拠だ。

 もっとも興味深いのが、暗闇に浮かぶ閉鎖されたホーム。もともと旧成田空港駅時代は2面4線のだったが、旧特急ホームは現在使われていない。そのため、当時の名残がそのまま残されているのだ。暗すぎて写真は撮れなかったが、東武鉄道の特急「スペーシア」や現在は存在しない旅館など、さまざまな広告が現在も掲示されている。

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パーティションからわずかにのぞく、コーヒーショップの跡。

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上下線とも1時間に2本弱のペースで列車が到着する。

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当時の駅名標がそのまま残っているのが、対岸のホームから見える。

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コンコースにある陶板レリーフ「曲水の宴」。1980年に設置されたようだ。

 さて、このまま終わってしまってはロクに歩いていないので、ここから第1ターミナルまで歩いてみることにした。旧成田空港時代は、有料バスか徒歩でターミナルに向かっていたわけで、そのルートをたどる形となる。

 改札からコンコースを抜け「第5ゲート」という物々しい雰囲気の出入口を抜けると、大型トラックばかりが往来する道路へ出る。標識に従い左手に進むと、貨物地区の前へと出る。もちろん歩道を歩いている人は誰もいない。

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現在も第1ターミナルへの古めかしい案内図が残されている。

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駅の出口にある「第5ゲート」。警備の人もいてものものしい雰囲気

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大型トラックや貨物機が集まっている貨物地区。

 突き当たりを左折し、貨物地区を右手に、旧管制塔を左手に見ながら進むと、10分ほどで第1ターミナルの看板が見えてくる。高架の道路などが後から建設されたためか、往来の少ない歩行者用の通路は狭い上に入り組んでいるが、さらに5分ほどで第1ターミナル北ウイングへと到着した。

 15分という道のりは、確かに微妙な距離だ。歩くにはちょっとおっくうだが、有料のバスを使うのももったいない。当時の利用者が中途半端な距離だと嘆いた理由が、よくわかる気がする。

 なお、現在も東成田駅と第1ターミナルの間には連絡バスが運行しているが、これは無料だ。成田空港では各ターミナル間を回る無料連絡バスが運行されており、東成田駅を経由するルートも存在する。

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1978年には過激派の占拠事件もあった旧管制塔。2020年に撤去される予定。

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第1ターミナルまでは要所要所に看板があるので迷わない。

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高架をかきわけるように設置されている歩道はアップダウンが激しい。

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ターミナル間を走っている無料の連絡バス。

 さて、成田空港にはもう1つターミナルがある。2014年にLCC(格安航空会社)専用としてオープンした第3ターミナルだ。ここは直下に鉄道駅は造られず、第2ターミナルから連絡バスか徒歩でアクセスする。せっかくなので連絡バスで第2ターミナルに戻り、ここから第3ターミナルへと歩いてみた。

 第3ターミナルへの通路は、陸上トラックのようにゴム状の通路が塗り分けられているのが特徴だ。第2ターミナルから第3ターミナルへ向かう人は青い通路を、逆に第3ターミナルから第2ターミナルへ向かう人は赤い通路を通る仕組みとなっている。

 空港第2ビル駅に書かれていた距離は670m。進んでいくと要所要所に距離表示があるのでわかりやすい。また、ところどころにベンチや自販機の置かれた休憩スペースもある。出発車線、到着車線共有ではあるが、急ぐ人のために追越車線があるのも便利だ。15分ほどかけて到着すると、ターミナル内にはよりいっそう路面が陸上競技場風になっていた。

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出発は青、到着は赤、追越は黒の3色に塗り分けられた、第3ターミナルへの通路。

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ベンチや自動販売機などが置かれた休憩スペースが、そこかしこにある。

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人がいなければ陸上競技場と見間違いそうな第3ターミナルの床。

 東成田駅周辺と違い、第2〜第3ターミナル間は人の往来が激しかった。利用者の半分ほどは、徒歩で移動している印象だ。さすがは空港だけに、段差や障害は一切なく、高低差もほとんどつけられていないため、キャリーケースを引いての移動はラクチン。飾られたポスターも工夫が凝らされていて楽しめる。第3ターミナルを利用するなら、是非一度は徒歩移動してみることをオススメしたい。

(文/渡瀬基樹)

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今回の「歩いてみた」ルート。(Googleマップを利用しています。権利関係はGoogleに帰属しています)

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