入管法改正を強行する安倍政権、外国人技能実習生の命を軽視するあまりにも冷酷な考え

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 タム・チー氏は18年前に来日したが、ここ数年ベトナム人の若者の死が目立つという。

 タム・チー氏が日本で供養したベトナム人は増加傾向にあり、去年は31人、今年は9月の時点でもう21人にもおよぶという、その4割が20代、30代の若者だ。

 タム・チー氏は沈痛な面持ちで<私もうショックなんですよ。はっきり言って。家族はいろいろ期待しているのに、帰ってきたのは骨壺と位牌と写真。どれぐらいご家族(の心)が痛いかわかりますよね>と語るが、祖国で待つ遺族の気持ちを考えると、察するに余りある。

 『ニュースウオッチ9』のカメラの前でタム・チー氏は供養した若者たちの死亡診断書を開く。そこには、心筋梗塞や急性心不全といった病名が並んでいた。過労死が疑われる死因である。

パワハラによって自殺にまで追い込まれてしまった技能実習生も

 また、なかには、自ら命を絶ってしまった若者もいる。タム・チー氏は、今年の7月に、26歳の若さで自殺したグェンさん(仮名)の遺書を見せる。そこにはこんな言葉が書き連ねられていた。

<お父さんとお母さんに教わった通り、強い人間になることを目指しましたが、もうその志は消えました。毎日、孤独感を噛み締めています>
<まわりの環境がとてもひどいです。彼らは僕がどれぐらい頑張っているか、まったくわかってくれません。軽蔑されています>

 グェンさんは去年10月に来日し、神奈川県内の塗装会社で働いていた。送り出し機関に100万円ほど借金して日本までやって来て、最低賃金の956円で働いていた。

 仕送りのため毎日切り詰めた生活を送りながら、家では日本語の勉強に励む毎日であったという。

 しかし、グェンさんは配属された会社でひどい扱いを受けていた。

 毎日仕事が終わったあと日本語に関する宿題が出されるが、その結果がよくないと仕事をさせてもらえなかったという。仕事をさせてもらえない補償はなく、その日はそのまま給料なしで過ごすことになった。

 また、仕事でミスをすると殴られることもあり、グェンさんは日本側の受け入れ機関に配属先を変えてほしいと要望を出すが、その願いは届かなかった。

 言葉もわからない国で孤独に苛まれたうえ、会社からのパワハラで心は追い詰められていったが、それでもベトナムに帰ることはできない。先に述べた通り、日本に来るために多額の借金をしているからだ。

 そして、自死を選ぶという悲劇が起きてしまった。

ベトナムの若者は日本よりも韓国に行きたがっている

 こういった事実は広く報道されているのにも関わらず、政権側の反応は前述の通り、<私はいまここで初めてお伺いしたわけでありまして>であった。このまま生煮えの法案を通せば、グェンさんのような悲劇がさらに多く起きるわけだが、そこに思いを馳せる人間としての最低限の良心はないのか。

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