松本人志『ドキュメンタル』でホモソーシャル的お笑い界に抗する女芸人たち

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 このシーズン4は全編にわたってその下品さが批判されるだけではなく、黒沢に対するセクハラについても指摘された。コラムニストの能町みね子は、「週刊文春」(文藝春秋)で、<基本的に松本人志の笑いは男尊女卑観がものすごく強いと思うのですが、上に立つ使命感 なのか、女芸人も使いたいという気持ちは強いのだと思う(シーズン2でも森三中・大島を起用している)。でも、結局女芸人が来てしまうと、松本人志門下にあたる芸人たちは女芸人に対し 性的な方面でアプローチしてしまう。一般論としてのセクハラについてもあまりに無頓着です>と批判している。

 いずれにせよ、ドキュメンタルにホモソーシャル的な空気が支配し、女芸人にとって非常にやりにくい土壌が出来上がっていることは明白だろう。とはいえ男性主体という風潮は、ドキュメンタルの収録現場に限らず、お笑い業界全体に横たわっているものかも知れない。

 この背景を知ったうえでシーズン6を視聴すると、おのずと女芸人たちを応援したくなってしまう。とはいえ、現在公開中の1、2話でも、村上ジョージが乳首をいじり、ジミー大西が局部をさらし、肛門にうずらの卵を入れて飛ばす……など、やはり恥も外聞もなく体を使うタイプの下ネタが健在である。黒沢ら女芸人たちはそれをやるわけにもいかず、遠巻きに顔をしかめて眺めるばかりだ……。

 素っ裸になれなければ、局部で笑いを取れなければ、芸人ではないのか? そんなことは決してないだろう。今回ドキュメンタルに参加した黒沢、近藤、友近、ゆりやんには、決して男たちのクローズドなノリに迎合することなく、持ち前の良さを発揮して、笑わせてほしい。

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