健康

「生理が来なくてラッキー」では済まされない女子アスリートの無月経問題 スポーツ栄養士の佐藤彩香さんにきく

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スポーツ栄養士の佐藤彩香さん

 アスリートに対して “健康的”というイメージを持っている人は多いだろう。しかし、女子アスリートのなかには過度な食事制限からエネルギー不足となり、無月経(月経が3ヶ月以上停止した状態)を引き起こしている人も少なくない。これは健康面において深刻なリスクといえるが、「月経がこなくてラッキー」といった感覚で済ませてしまうアスリートや指導者もいるという。

 スポーツ栄養士の佐藤彩香さんは、この事態に警告を鳴らす。女子アスリートの無月経問題の現状や、無月経を起こさないための食事方法についてうかがった。

無月経は体型が審査に影響する審美系スポーツの選手に多い

―女子アスリートのなかでも、どのような競技の選手に無月経は多いのですか。

佐藤 一番は体型で競技の成績が変わってくる、新体操やバレーなど審美系スポーツの選手に多いと思います。他には長距離ランナーや駅伝選手にも多い印象です。

―太ってはいけないから食事制限をし、無月経になるということでしょうか。

佐藤 はい。ホルモンを作るために脂肪→脂質を含む様々な栄養素は必須です。しかし、体型を維持するために過度な食事制限をし、エネルギー不足でホルモンのバランスが崩れ、月経がなくなるというメカニズムです。あとは、スポーツ選手ならではのプレッシャーなども無月経には関係しています。私がみた選手のなかでは、3年以上月経がない人もざらにいます。

―佐藤さんのツイッターで、無月経の選手と話をした際、その選手が「女を捨てているので」と笑っていたという投稿にはとても驚きました。

佐藤 月経があるとイライラしたり、お腹が痛くなったり体が浮腫んだりと様々な不調が起こりますよね。そういった不調は競技にも影響をきたすので、月経が来ないことを “ラッキー”と捉えてしまう選手もいます。

骨密度の低下を防ぎ疲労骨折等を予防するのにもホルモンバランスは重要なため、選手期間でも月経があることは非常に大切です。

またもし将来、妊娠・出産を望んだとき、無月経であれば不妊のリスクも高くなってしまいます。選手時代は「月経がなくて楽」と感じていても、引退した後も人生は続いていくという話を選手にすることもあります。

―指導者のなかにも選手の無月経に無関心な方はいるのですか。

佐藤 少なくなってきているとは思いますが、月経があるということは脂肪もある程度ついた体なので「月経があるとは鍛錬が足りない」と考える指導者もまだいます。

一方、月経は大切なことだと理解していても、成績を優先して放置する指導者もいます。
大学の運動部の監督など、選手の在籍が数年間に限られている場合だと、その後の人生よりも今のことを大切にしてしまいがちなところも見られます。

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