
melchari公式サイトより
株式会社メルカリは、言わずと知れた日本最大のフリーマーケットアプリ・メルカリを手がけ、急成長を遂げたベンチャー企業だ。その100%子会社である株式会社ソウゾウも、「次のメルカリ級事業を創る」というスローガンのもと、新サービスの開発を続々と試みている。。
そのひとつに、2018年2月からスタートしたばかりのシェアサイクルサービス「メルチャリ」がある。「メルチャリ」とは、市内各地のポート(駐輪場)に置かれた自転車を専用アプリでQRコードを読み込んで開錠し、利用後は再びポートに返却するという仕組み。今年2月には福岡県福岡市で、8月からは東京都国立市でも実証実験が展開されており、この先どれだけ日本全国に普及するのか気になるところだろう。
ただ、株式会社ソウゾウ発のサービスのなかには、世の中に定着する前に消滅したものも少なくない。今年8月には、ユーザーのアイテムをメルカリが即時に査定して買い取る「メルカリNOW(ナウ)」、語学などのスキルや知識を個人間でマッチングさせる「teacha(ティーチャ)」、ブランド品に特化したフリーマーケットアプリの「メルカリ メゾンズ」という3つのサービスが、相次いで終了を迎えた。

2018年8月にサービスを終了した(左)teacha/(右)メルカリメゾンズ。いずれも短命に終わった。
とりわけteachaは今年4月に始動したばかりのサービスで、たった4カ月ほどで終了したことになる。また、このなかで最も長続きしたメルカリ メゾンズであってもリリースは昨年8月と、いずれも短命に終わっている。これを受け、メルカリ取締役社長兼COOの小泉文明氏は「違うと思ったらクイックに撤退を判断する」とポジティブに語っているが、これらのサービスを気に入って利用していたユーザーからすれば、裏切られたようなネガティブな気持ちになっても不思議ではない。なにより、メルチャリのように新たなサービスが始まったところで、またすぐに終了するのではないかと、疑われても仕方ないだろう。
これは、メルカリグループの「迷走」なのだろうか? ITジャーナリストとして各媒体で活躍する西田宗千佳氏に見解を伺った。
利益が見込めないサービスを早めに切り上げるのは、ユーザー思いの行為?
「このようにサービスが次々と終了することで、ネガティブな捉えられ方をする可能性は確かにあるでしょう。メルカリグループの強みというのは結局、ユーザーの多さに尽きると思います。メルカリというフリーマーケットアプリを利用しているユーザーがいるからこそ、共通IDで利用できる他の姉妹サービスも存在できるわけで、あくまでもメルカリグループ側がユーザーに依存しているのです。