性的な感情は悪いものではない――NHKが取り組む「性教育」プロジェクト

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 また、LGBTについて「カミングアウトしたいけれど、言ったら気持ち悪く思われそうで親に言えません」という悩みには、ぺえが「親に面と向かってカミングアウトする前にテレビで言っちゃったの」と明かした。ぺえの親は「よく言ったね、覚悟を決めたね」と背中を押してくれ、ぺえは心が救われたという。個人的には、「覚悟」が必要なこの世の中はまだまだ「LGBTに寛容」だなどと口が割けても言えない状況だと思うが、ともあれぺえの親は「寛容」だった。

 専門家の見解は「カミングアウトして、親が理解してくれたらいいですよね。でも、カミングアウトはゴールではありません。そこから、一緒にいろいろなことを乗り越えていく人生が続きます。カミングアウトしない選択肢もあります。心に秘めたままの人も大勢いますよ」というものだった。カミングアウトがすべてではない、というのはもっともだ。

 このほかにも「女子のマスターベーション」「潮吹き」「仮性包茎」などについて、専門家の見解が語られた。いずれも学校の性教育では教えられず、社会の中でふんわりと“こういうもの”“こういう風に見られる”と印象づけられていたり、あるいはアダルトコンテンツとして過剰に盛られた情報が錯綜していたりもする事象だ。実際のところはどうなのか、科学的根拠はあるのか……正しい情報を知らない人は、20代以上の大人にも多いだろう。

 特にこれらアダルトコンテンツの括りでばかり取り上げられるキーワードについて、学校における「性教育」で取り扱うことを望んでも、実現はなかなか難しいだろう。学校における「性教育」は、“エッチ”な感情を抹殺した無機質なものに徹さざるを得ない。ただ、“エッチ”な感情自体は、悪ではなく自然なものだ。その自然な感情を否定しない「性教育」を展開したことが、「もうひとつの“性”教育プロジェクト」のもっとも画期的な試みといえるのではないだろうか。

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