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『報道ステーション』報道番組としての矜持はどこへ? 入管法強行採決の扱いに疑問

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『報道ステーション』(テレビ朝日系)番組ホームページより

 12月8日未明、出入国管理法(入管法)改正案が参議院で強行に採決された。

 外国人技能実習生への人権侵害が横行している状況をどう解決するのかなど議題は山積しているのにも関わらず、衆議院をわずか17時間の審議時間で強行採決させた与党の姿勢は参議院でも変わらなかった。

 野党は臨時国会の会期末(10日)までに成立することを阻止するべく抵抗したが、強引な国会運営は続き、8日未明までずれ込んだ末、参議院でも法案は採決された。

 入管法改正案は、受け入れ対象業種など制度の根幹を成す部分すら決まっていない生煮えの法案で、未定事項はこれから政令や省令で決まっていく。

 法案の重要な部分すら詰められていないような法律を「白紙委任」するよう求める姿勢は「民主主義の死」と言っても差し支えなく、強引な与党のやり方には国民からも批判の声が多く起きたのだが、メディア(特に地上波テレビ)のなかには、そのおかしさをきちんと報じないものもあった。

 そういったメディアのなかでも特に様子がおかしかったのが『報道ステーション』(テレビ朝日系)である。

 7日放送『報道ステーション』が放送された時間は、参院本会議で安倍首相に対する問責決議案が出されているタイミングだったが、そこで番組が選んだトップニュースは、女子フィギュアの紀平梨花選手によるグランプリファイナル初出場・初優勝の報道。

 番組終盤にスポーツニュースのコーナーが用意されているが、『報道ステーション』はトップニュースで扱ったうえ、紀平選手のショートプログラムをノーカットで放送する力の入れようだった。

 その次に扱ったのは、北海道や東北地方を襲った今季一番の大雪の話題。交通インフラに遅れが出ていたり、スリップ事故なども多発しているのでこれは重要な話題だが、大雪の話題は早々に終わり、番組はそのニュースをきっかけに「寒暖差疲労」の健康情報解説コーナーを長々と展開した。

 そして、番組が始まって20分経ってようやく入管法の話題が始まった。その日の国会で繰り広げられた与野党の攻防をダイジェストにまとめたVTRの後、弁護士の野村修也氏が法案や法案審議の問題点を解説するも、わずか7分ほどで終了し、次の話題(パリでの市民デモ)に移っていってしまった。

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