ジャッキー・チェンの最新作『ポリス・ストーリー/REBORN』が、2018年11月末より公開中だ。『ポリス・ストーリー』といえば、ジャッキー監督・主演作品として1985年に日本でも公開された『ポリス・ストーリー/香港国際警察』から始まった超人気シリーズ。第1作は日本で興行収入19億円もの大ヒットを記録し、当時のジャッキー人気を決定づけた作品だ。最新作『ポリス・ストーリー/REBORN』では「ポリス・ストーリーユニバース 10本記念作品」とうたい上げ、予告編では過去の『ポリス・ストーリー』シリーズの名場面をちりばめているが……実はこれ、正当な後継作品ではないのだという。某映画宣伝会社の関係者は語る。
「日本におけるわかりやすい宣伝として『ポリス・ストーリーユニバース 10本記念作品』とうたっているだけで、実は『ポリス・ストーリー/香港国際警察』から始まる人気シリーズとはまったく関係ないんです。この“最新作”、ジャッキーが刑事を演じているだけで、実際は近未来のSFアクションもの。そもそも本家の『ポリス・ストーリー』自体は6本しかなく、今回の最新作を入れて残りの4本は、『ポリス・ストーリー』人気に便乗しただけの“刑事もの”。昨今、『アイアンマン』や『アベンジャーズ』など全世界で大ヒットした一連のシリーズを『マーベル・シネマティック・ユニバース』と称しますが、『ポリス・ストーリーユニバース』というネーミングは、これを完全にパクっているのは明らか。しかしこのネーミングは単に誤解を招いているだけでなく、ジャッキーファンからもかなり冷笑されてるそうです」
ジャッキー作品としては珍しく、なかなかの“コケっぷり”
とはいえ、香港映画界ではいまだに“不動の大スター”であるジャッキー・チェン。人気シリーズの偽物としてではなく、純粋にジャッキー映画の最新作として公開されたという香港では、どのような反響だったのか? かの地の映画業界に精通する某配給会社の関係者はこう語る。
「香港では、初日こそランキング1位を獲得したものの、すぐに別の作品に抜かれてしまい、ジャッキー作品としては珍しいほど、なかなかのコケっぷりでした。そもそも今作は、ジャッキーのSFアクションなどではなく、愛娘との関係を描いた物語。これも、昨今のジャッキー作品では何度も繰り返されてきたもので、その結果クチコミがよくなかったため、惨憺たる結果を招いたのではないか、ともいわれてますね。
また、かつてのジャッキーは、スタントマンを入れずに自ら危険なシーンを演じることで人気を博してましたが、64歳となった最近ではしっかりスタントマンを使ってます。日本でも『ミッション:インポッシブル』シリーズは大人気ですが、ある意味今のジャッキーは、トム・クルーズと同じような立ち位置にいるんですよ。しかし、映画自体はハリウッド映画のほうがお金もかかっているし、ストーリーも面白い。『ポリス・ストーリー/REBORN』は近未来テイストを盛り込んで違いを見せようとしていましたが、結果、ハリウッド映画との格の違いを見せつけられ、“痛々しさ”を感じさせる仕上がりだったことは否めませんね」
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