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医学部の不正入試、複数の大学で公表相次ぐ 再発防止に医療の労働環境の改善を

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 今夏、東京医科大学の医学部医学科一般入試で、女子受験生および三浪以上の受験生の得点を一律に減点し、合格者数を意図的に抑えていた“不正入試”が発覚し、大問題となった。そして調査を経た12月、岩手医科大学、金沢医科大学、福岡大学、順天堂大学、北里大学、日本大学医学部なども不正な入試を実施していたと公表。まだ他にも関東地方の私立大学などで不正の疑いがあり調査を継続中だという。

 2017年と2018年の医学部入試で計165人を不当に不合格としていた順天堂大は、12月10日の記者会見で、合理的な理由なく女子や浪人の受験生を不利に扱っていたことを第三者委員会から指摘されたとして公表。面接のある二次試験では「一般的に大学入学時点の年齢では、女子の精神的な成熟は男子より早く、相対的にコミュニケーション能力が高い傾向にある」という理由で女子の基準点を男子より0.5点高く設定し、また、一次試験では成績順位201位以下の受験生について浪人年数や性別で取扱いに差異を設けていたが、第三者委はいずれについても「合理性があると解し得ない」と評価した。

 順天堂大は少なくとも2008年度からはこのような判定システムを導入していたという。二次試験での不正について新井学長は「男子学生をある意味救うというか、そういう発想で補正をした」と語っていたが、それこそがまさに男女差別であり、男性に高い下駄を履かせているわかりやすすぎる例だ。

 また、北里大学も12月10日、2018年度の医学部入試で繰り上げ合格となる補欠者に連絡をする際に、男子や浪人回数の少ない受験生を優先していたことを発表した。12月4日に文部科学省に指摘されたとのことだ。日本大学は12日に記者会見を予定している。

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 今年8月の東京医大における不正入試問題発覚を受け、文部科学省は医学部医学科を置くすべての大学を対象に調査を実施。10月には昭和大学が、2013年度以降の医学部一般入試で浪人生を不利に扱うなどの不正があったと発表。11月には神戸大学が、2015年度から2018年度の医学部推薦入試の地域特別枠で、過疎地域出身の受験生を有利に扱っていたと公表した。

 12月8日には、岩手医科大学、金沢医科大学、福岡大学が、それぞれ医学部入試で不正があったと明らかにした。岩手医大は、2013年度の医学部編入試験から同大出身の受験生を優遇して合格させ、2018年度の一般入試の繰り上げ合格者として、他の不合格者よりも評価の低い受験生1人を合格させていた。金沢医大は、2018年度医学部今年の医学部AO入試で、卒業生の子ども、北陸3県の高校出身者、現役・1浪の受験生を対象に加点していた。福岡大は、医学部医学科の一般入試および推薦入試で、現役・1浪の受験生のみ調査書の点数を加点していた。

 いずれも募集要項にそのようなことは明記されておらず、水面下で不正・差別が行われていたということだ。平成終了間際にして、日本社会の不公平さがはっきりとわかった。差別されているのは女性だけではないことも、わかった。

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