水道法、漁業法、入管法…臨時国会で繰り返された安倍政権による「議論忌避」の姿勢

【この記事のキーワード】

 成立後に政令や省令で決める部分が多く、野党からは「白紙委任法だ」との声まで起きた。

 自民党の平沢勝栄衆院法務委員会理事にいたっては、<この問題は議論したらきりがないんです。いくらでも問題点が出てくるんです>とまで言う始末だったが、問題点が出てくるのであれば拙速な議論で可決を急ぐのではなく、問題点がなくなるまで議論するべきだろう。

 入管法改正案について議論されるときにまず出てくる論点が「外国人技能実習生への人権侵害が横行している状況をどう解決するのか」である。

 外国人技能実習生が低賃金・過重労働を強いられていること、また、過労死したり自殺に追い込まれたりといった事例も起きていることなどが明らかになっている。

 しかし、「人命」に関して国会でなされた議論は、怒りを通り越して悲しみすら感じさせるものだった。

 G20を終えて南米から帰国した安倍首相は12月5日に出席した懇親会で、翌日の参議院法務委員会に出席することについて、<時差が激しく残っているなかにおいて、明日は法務委員会に2時間出て、ややこしい質問を受けるという状況でございますが>などと発言した。

 国会での議論を「ややこしい質問」などと表現するのは国会軽視にもほどがあるが、法務委員会における安倍首相の態度もひどかった。

 首相に向けた質問が投げかけられているのにも関わらず、山下貴司法務大臣が答弁に立つ場面が何度も繰り返され、野党側からは異論の声が飛んだ。

 首相にとって外国人技能実習生など奴隷のように働かせるための駒でしかなく、その「命」など取るに足らないものとしか考えていないのだろう。

 それがよくわかったのが立憲民主党の有田芳生議員とのやり取りだ。有田議員が受け入れ先で亡くなった技能実習生も多くいることをただすと、安倍首相は山下法務大臣に親指を向け、山下法務大臣が答弁に立つことになる。

 これにはさすがに野次が飛び、結局、安倍首相も答弁することになったが、そこで語られたのは<(実習生が)亡くなられた例については、私はいまここで初めてお伺いしたわけでありまして、ですから、私は答えようがないわけでありまして>といったものだった。

 安倍首相は12月10日に臨時国会閉会を受けて行った記者会見にて<即戦力となる外国人材を受け入れ、日本経済を支える一員となっていただきたく。そのために、日本人と同等の職場環境、賃金面での待遇はしっかりと確保していきたいと考えています>と発言している。

1 2 3 4

「水道法、漁業法、入管法…臨時国会で繰り返された安倍政権による「議論忌避」の姿勢」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。