「ちょうどいいブス」は処世術だが女性蔑視でもあり、呪いでもある

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「ちょうどいいブス」は「性格美人」を指す?

 「ちょうどいいブス」というワードについて述べてきたが、ドラマの内容はどうか。おそらくだが、「女性をエンパワメントする」思いで作られている作品ではあるだろう。

 公式サイトには「もしかしたら私、ブスなんじゃないかなと一度、仮定してみませんか? それが素敵な女性になるための第一歩なのでは? というのがこのドラマのコンセプト!」との説明がある。

 夏菜は、「自己表現下手くそブス」というキャラクター設定で、「常に“受け身&待ち”の姿勢なので何も起こらない。しかし心の中では、言いたいことや感じたことを常にしゃべり倒していて、本音ではもっと積極的になりたい、素敵な恋愛したいと思っているが、周囲から“浮く”ことへの不安が、彩香を行動しない人間にしてしまっている。思い込みが強く、普段おとなしくしている分、酒が入ると一気に暴走、大胆で饒舌になる」。

 高橋メアリージュンは「融通の利かないブス」で、「性格は真面目で仕事も早いが、協調性がなく仕事のやり方も常に自己完結している。自分の仕事は文句を言われるスキがないよう完璧にこなす一方、他人のミスには厳しい。結果、周囲からは「面倒で厄介な女」と疎まれていて、「誰も自分を理解してくれない」と常日頃から思っている。恋愛においては、いわゆる『モテない美人』」。

 小林きな子は「開き直りブス」で、「売れないバンドマンと付き合っている。かいがいしく世話を焼くが、好きという気持ちを相手に振りかざし、金や物で釣ることもしばしば。周囲の女性に対してはやたら厳しく評価し、モテようと頑張る女性をディスるのが趣味。何かにつけて「でも、私彼氏いるんで…」と彼氏の存在を免罪符にしている」。

 おそらく同ドラマでは、夏菜をはじめとするキャラクターの内面的な問題をとらえて、葛藤を乗り越えながら少しずつ成長していく……というストーリーが描かれるのだろう。つまり、ドラマが定義する「ブス」は外見に限らず、内面を差していることは明らかだ。

 おそらくは、「顔の美醜はともかくとして、性格ブスな女たちが変わっていく」という話になるのだろう。「ちょうどいいブス」=「性格美人」ということなのかもしれない。

 はてさて、しかしである。「素敵な女性になる」ってどういうことなのだろう。自己表現が下手だったり、思い込みが激しく頑固だったり、ひたすら性格が悪かったりする登場キャラクター達が魅力的に描かれるような脚本にはならないだろうし、周りの人間にとって「ちょうどいい」存在になることで彼女達は生きやすくなるのだろう。けれど「モヤモヤ」は、再びよみがえる。結局、「他人にとって都合のいい存在になることを推奨している」のではないか……?

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