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「坂道合同オーディション」から考える、ハロプロのお家芸“公開オーディション”という時代の終焉

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公開オーディションの時代はすでに終わった

 オーディションを非公開にすることで、参加者の行動に対する“リスク”を回避できるというメリットもある。たとえば、オーディション参加者が過去に不適切なSNS投稿などをしていた場合、それがオーディション主催者の不祥事のように報じられてしまうケースもあるだろう。また、オーディション参加者が将来その肩書きを使って、主催者にとっては好ましくない行動に及ぶ可能性もある。主催者側で制御できないリスクを回避するためにも、現在のアイドルオーディションにおいては、非公開とするのは賢明な選択なのだ。

 ハロプロでは2018年5月に、「ハロー!プロジェクト“ONLY YOU”オーディション」を開催。審査過程は一切明かされていないが、新グループ・BEYOOOOONDSの追加メンバーとして平井美葉、小林萌花、里吉うたのの3人が合格。さらに、アンジュルムの新メンバーとして伊勢鈴蘭が合格した。公開オーディションであった「ハロー!プロジェクト新メンバーオーディション」では合格者を出さず、非公開の「ハロー!プロジェクト“ONLY YOU”オーディション」で4人の合格者が出たということは、なんとも象徴的だといえるのではないだろうか。もしかしたら、さまざまなリスクを伴う公開オーディションは最初から合格者を出さないことを前提としており、非公開のオーディションでこそ即戦力となるような人材をガチで選んでいたのでは──などという仮説さえ立てられそうだ。

 ちなみに、冒頭で述べた乃木坂46、欅坂46、けやき坂46の「坂道シリーズ3グループ合同オーディション」では、審査過程を詳細に公開することはないが、候補者によるSHOWROOM配信を行っていた。もちろん、候補者から他グループへ加入するような可能性も十分に考えられるわけだが、そこは天下の坂道グループであり、落選者が他社に流出したところで大きな痛手にはならないという判断が働いたのだろう。そのあたりは、ハロプロとはまた事情が異なりそうだ。

 あくまでもケースバイケースではあるが、アイドルファンにとっては楽しみのひとつとなっている公開オーディションが、実は主催者側のリスクとなることは多い。あまたのアイドルグループがしのぎを削る昨今であればなおのこと。オーディションの過程を楽しむ時代は、すでに終わったのかもしれない。

(文/青野ヒロミ)

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