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テーマパークで相次ぐパワハラ告発 長崎ハウステンボスはH.I.S.も撤退か

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【完成】H.I.S.も撤退か 長崎ハウステンボス、スタッフの離職相次ぎ事故も多発の悲惨な末路の画像1

ハウステンボス(写真:アフロ)

 今月13日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が、長崎県にある有名テーマパーク・ハウステンボスの“パワハラ”が横行する内情を報道した。「週刊文春」によると、ハウステンボス顧問の女性S氏によるパワハラで、多くの社員が悲鳴をあげているという。

 たとえばハウステンボスの社長代理を務めるA氏は、S氏から日常的にパワハラを受けていたとして、「だからアホだって言われるのよ、社長から」「能力がない人間だから、ポジションを二つ下げてもいいのよ」といった罵声を浴び続けていたそうだ。

 A氏は精神状態が不安定となり今年9月には「適応障害」の診断を受け、現在は出勤できない状態だという。過去に2度、S氏に対して社員が退任要求を出したことがあるが、退任要求に関わった社員は左遷か退職せざるを得ない状況に追いこまれたそう。

 S氏は大勢のスタッフに夜明けまでの残業を強いることもあるといい、健全とはいえない職場環境が影響してか、ハウステンボスの社員の証言によると、この8年間で幹部クラスの社員は半分以上が退職し、ここ3年だけで毎年250人もの社員が辞めているという。

 さらにハウステンボスでは、従業員の不足が重大な事故を発生させている。昨年8月にはバンジージャンプのアトラクションに参加した男性が、一度落下して跳ね上がった際に、ゴム製ロープを固定するワイヤーが切れるという事故が起こった。幸い、男性は右肩打撲の軽症で済んだようだが、ワイヤーが切れるタイミングが違えば、死亡事故を引き起こしていた可能性もある。

 また同誌では、S氏と社長の親密な関係も、S氏のパワハラを助長させているとみている。ハウステンボス社は18年間にわたり続いた赤字で経営破たんに陥った2010年、長崎市長が株式会社H.I.S.の澤田秀雄社長に頼み込み子会社化。大規模な改革をいくつも断行し、経営をV字回復させた。 

 しかし近年は業績不振。にもかかわらず、「文春」の直撃取材を受けた澤田社長は、「ほぼ再生が終わった」として、ハウステンボスからの撤退を宣言している。

 澤田社長は2010年にハウステンボスを訪れた際、「従業員がみんな暗すぎる」と感じ、「嘘でもいいから明るくやってほしい。そうすれば黒字化し、ボーナスも出る」と鼓舞したという。だが現在、従業員たちは嘘でも明るくなど振る舞えない心境なのかもしれない。

 来客を楽しませることが第一義であるはずのテーマパーク運営の舞台裏で、目を覆いたくなるようなパワハラが横行しているとすれば、その世界を素直に楽しむことはできない。世界的人気を誇るテーマパーク・ディズニーランドにおいてもパワハラ裁判が起きており、徐々にその裏側が明らかにされている。

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