
『大誘拐2018』公式サイトより
日本映画史に残る名作『大誘拐 RAINBOW KIDS』(1991)。当時の邦画としては異例の大ヒットを飛ばした本作品が、舞台を現代に移し、『大誘拐2018』として生まれ変わった。
この作品は東海テレビ開局60周年を記念したスペシャルドラマとして2時間放送が決定(フジテレビ系/12月14日(金)よる7:57~)。はたして、人々を熱狂させた前作を超えることができるだろうか?
身代金100億円をめぐる犯人と警察の奇想天外な戦い
愛知県に住む日本有数の大富豪・柳川とし子(富司純子)が誘拐された。誘拐犯は3人組。リーダーは元ヤクザで刑務所から出所したばかりの戸波健一(岡田将生)だ。メンツをかけて捜査に乗り出す愛知県警。たたき上げの刑事、井狩大五郎(渡部篤郎)に陣頭指揮が任された。
届いた犯人側の要求は「身代金100億円」「記者会見を開いて身代金の返答をしろ」。毅然とした態度で記者会見に臨んだ井狩は、「100億円の要求は法外だ」と要求を拒否する。想定外の金額にとし子の親族はうろたえ、事件は前代未聞の記者会見により世間に広く知れ渡ることに。
犯人側の要求は収まらず、「とし子の全財産を整理して、100億円はすべて現金で用意しろ」との新しい指示が。さらには「100億円の引渡しをテレビで生中継せよ」とメディアやSNSを巻き込んだ「劇場型」の交渉を提案してくる。大胆不敵な犯人の意図はいったい!?
現代版リメイクならではの見どころ
原作は1978年に発表され翌年日本推理作家協会賞を受賞した、天藤真の小説『大誘拐』。1991年に岡本喜八が監督、北林谷栄の主演で映画化され、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞(北林谷栄)、日本アカデミー賞・最優秀監督賞、最優秀脚本賞、日刊スポーツ映画大賞、石原裕次郎賞など数々の賞を受賞している。
『大誘拐2018』では、誘拐される富豪のとし子に富司純子、静かに闘志を燃やす刑事・井狩には渡部篤郎が扮し、主人公の間抜けな誘拐犯・戸波を岡田将生が演じている。とし子が主役だった前作と違い、戸波が主役の物語に変わっている。単純な過去のリメイクではなく、オマージュ作品として見てみるのも楽しいかもしれない。
映画版とは違い、『大誘拐2018』に登場する警察組織はハイテクを駆使して戸波たちに戦いに挑む。時代が流れ、がらりと様変わりした現代。どんな手段で戸波たちを追い詰めていくのだろうか。とても興味深い。そして、厳しい包囲網を戸波ととし子たちはどんな戦略で回避するのかも気になる。映画公開時に観客をあっと驚かせた「TV中継での身代金交渉」や「100億円の輸送」が、現代版ではどのようにアレンジされているのか楽しみだ。
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