副業は本当に「自己実現」「キャリア形成」につながるのか

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副業のメリットの裏に潜むもの 

 厚生労働省は『副業・兼業促進ガイドライン』で、副業を営む労働者側のメリットを挙げている。

 それによれば、副業には所得が増える以外にも、キャリア形成やリスクを負わずに起業の準備ができるなどのメリットがあるという。だが実際のところ、副業従事者の多くを占める非正規雇用層に、所得増加以外のメリットを当てはめることは難しいだろう。

 逆にメリットが当てはまりそうな中間所得層では、依然として副業従事者は多くない。企業側も労働時間の管理や長時間労働を防ぐ観点から、副業にあまり乗り気ではない 。働き方改革というのであれば、副業を促進する前にやるべきことはたくさんあるはずだ。

 終身雇用制度は崩壊し、賃金も大きくは改善せず、労働時間も是正されているとはいいがたい。企業が従業員を養う力は衰え始めている。

 また、十分な社会保障が受けられるかどうかわからないにも関わらず、政府から課せられる税金、社会保険料などの負担は増える一方だ。

 企業と政府の双方で国民を養う力が衰えている今、副業は新たな理想の働き方というよりも、国民が自己責任のもと、自らの生活を成り立たせるための手段として重要になってきているのかもしれない。

 

 

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