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飲み残した抗菌薬を風邪やインフルエンザで飲んではだめ!不適切な使用で体はどうなるか

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Thinkstock/Photo liza5450

 12月も半ば、インフルエンザシーズンが始まろうとしており、風邪も流行りやすくなる季節が到来した。ひょっとして、「インフルエンザは抗菌薬(抗生物質)を飲んで治す」と大きな誤解をしている人はいないだろうか? 抗菌薬は「細菌」の増殖を抑制したり、殺したりする働きのある薬のことであり、インフルエンザウイルスには効かない。

 そして風邪を引いたからといって、以前飲み残していた抗菌薬を服用することも禁忌だ。今、世界中で抗菌薬の誤った服用が大きな問題となっている。

 アメリカのある調査で、子どもに処方された抗菌薬の飲み残しを保管し、処方された子ども以外の兄弟に使う親が多いことがわかった。

 米コーエン小児医療センターのRuth Milanaik氏らの研究チームは、米国の子どもを持つ父母496人を対象に、抗菌薬の使用に関するオンライン調査を行い、「抗菌薬の不適切な使用は、薬剤耐性菌の増加をもたらす可能性がある」とする研究成果を米国小児科学会(AAP 2018年11月2~6日、米オーランド)に発表した。

 調査によれば、回答者の約48%が「抗菌薬が残った場合、処分せずに保存しておく」と回答。その73%は「飲み残した抗菌薬を兄弟以外の子どもや大人に渡したことがある」と回答したのだ。処方されてから数カ月後に、残った抗菌薬を別の人に渡したり、自身が残した抗菌薬を自分で使用した親もいた。飲み残した未使用の抗菌薬を使う最大の理由は「医療費を節約するため」だった。

 また、飲み残しの抗菌薬を使う時は処方された用量で使用するケースが多かったが、「使用する子どもの年齢に基づいた量を自身で推測して使う」親もいた。さらに、回答者の16%は「大人用の薬を子どもにも使わせたことがある」と回答した。

 Milanaik氏は「抗菌薬の不適切な使用は、処方されていないのに薬を服用する本人だけに危険が及ぶだけでなく、抗菌薬を必要とする全ての人に影響する問題だ」と強調している。

 子どもを持つ親は、抗菌薬の使用に関する正しい知識を身に付け、医師の指示がなく抗菌薬を使用することの危険性を理解することが重要だ。Milanaik氏は「抗菌薬の開発は医療に変革をもたらしたが、薬剤耐性菌の増加を避けるためには、医師がその適正使用と適切に処分することの大切さを啓発していく必要がある」と指摘している。

抗菌薬・抗生物質の用途を知っている人は、わずか37%!

 なぜ風邪なのに抗菌薬がこんなに使われているのか?

 これは、風邪の重症化や細菌性の合併症を防ぐため予防的に抗菌薬が処方されていた時代があり、<風邪には抗菌薬が効く>という社会的な誤解が生じたといわれる。しかし、現在では抗生物質の大量使用によって起きるデメリットの方が問題となってきており、風邪の患者に抗菌薬を処方する医師も少なくなっているという。

 また、抗生物質大量使用の最大の問題は “薬剤耐性”だ。

 国立国際医療研究センター病院のAMR臨床リファレンスセンターが公開している意識調査を見てみよう。

 10代~60代の男女710名を対象に行った「知ろうAMR(薬剤耐性)、考えようあなたのクスリ」第3 弾『抗菌薬意識調査2017』(プレスリリース2017年11月9日)によると、 抗菌薬や抗生物質とは何か知っている人は、わずか37%だった。

 抗菌薬がどのような病気に有効だと思うかという質問に対して、2人に1人が「風邪やインフルエンザに効く」と回答した。抗菌薬は細菌に対する薬であり、風邪やインフルエンザの原因となるウイルスには効かないことを知らない人が半数もいるのだ。

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