専業主婦の罪悪感、働く妻の息苦しさ 結婚すれば安定する時代ではない

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生き延びるためのマネー/川部紀子

 ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。女性が結婚したいと思う理由に「経済的な不安」「仕事を辞めたい」などが挙げられることは後を絶ちません。これは要するに「専業主婦になりたい」ということであり、結婚相手の男性に対して「お金」の面で期待しているということでもあります。もちろん専業主婦を希望していなくても、子育て、夫の転勤、介護などの理由で女性が仕事を離れるということが多いのも現実です。

 一方、働き続けたい女性も増えています。収入を得る能力の高い女性も多く、また、男性の年収に期待が持てなくなった、女性の社会進出が推奨される風潮など、さまざまな理由で共働き世帯も増え続けています。最新の調査では、共働きの比率は6割を超えているのです。

 さて、今の日本において、結婚によってお金面で女性の暮らしはどうなっているのでしょうか。今回は特に女性読者に向けて書いていきたいと思います。

専業主婦の罪悪感と終わらない節約

 株式会社ビースタイルが運営する、主婦の人材サービス「しゅふJOB」が「専業主婦の罪悪感」に関する調査結果を先月公開しました。

 調査結果によると、専業主婦・主夫経験者の56.6%が「専業主婦であることに後ろめたさ・罪悪感を覚えたことがある」と回答しています。特に、30代以下で「罪悪感がある・少しある」と答えたのは70.1%、40代では60.7%と若い世代であればあるほど罪悪感が大きいのが特徴です。

 これは、昨今の女性の社会進出、共働き推しが生み出した結果なのでしょう。国も共働きを推奨する人達も、罪悪感や後ろめたさを理由に社会に出てほしいと思っているわけでなないはずですが、現状では健康的でないいびつな結果が出てしまっています。

 昭和世代の親は専業主婦世帯が多かったため、そんな両親に育てられ、専業主婦である「良妻賢母」を良しとする層は今でも一定数根強く残っていると思われます。つまり、まだまだ女性の社会進出は過渡期にあり、強引に共働きに舵を切るとどこかにひずみが出るのではないでしょうか。また当然のことですが、夫婦にはさまざまな事情があります。そうした事情を考慮せずに、共働きを推進する必要はないはずです。

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