また、外食を含む家事の外注サービスも充実してきました。家事の外注に関しては妻が支払うケースが多いようです。これも後ろめたさも影響しているのでしょう。実際に、先日テレビで「夫に家事をさせない妻」を独身の男性タレント達が「いいなぁ」と堂々と言っていました。また人気女優が「夫には家事をしてほしくない」と発言したのも耳にしました。男性だけでなく、女性も家事をこなす妻を良しとする風潮はNGワードにはなっていないどころかかなり根強いようです。家事をしないことや楽をするための費用を支払うのは妻になりやすいのです。
結果、自分の収入は変わらないのに、支出と家事が増え、貯蓄は増えないという現象が起こります。特段の高年収でなければ、独身時代の方が豊かだったと感じる可能性もあるのです。
このような共働きで夫婦別管理の家計は世帯年収の割に貯蓄額が低いケースが散見されます。だからといって、貯蓄のために夫のお小遣い制を始めるのも今さら難しいという夫婦も多く課題は残ります。
結婚に「お金」を期待する時代は終わった
男女共に給料がどんどん上がっていくことは考えづらいのが現状です。すっかり定着した「婚活」ですが、よく考えてみると「恋人が欲しい」とか「恋愛がしたい」とかではなくて、いきなり結婚のための活動をする理由は何でしょうか? そこに「夫のお金」という要素が入っているなら、相手が圧倒的に制限されるので考えを改めた方が良いでしょう。
過去と比べると、男性の懐事情は非常に厳しくなっています。給料はさほど上がらないのに物価は上がり、税・社会保険料負担も増える一方です。そして、専業主婦・パート主婦への優遇もあからさまに減ってきています。共働きが増えていることもあり、妻に給料全てを渡すことに抵抗を感じる男性も増えています。
高収入の男性であっても、ひと昔前までのセレブ妻を養うようなタイプは激減しています。また、高収入には不安定が背中合わせです。「俺が食わせてやるよ!」そんな男性は既に稀です。現実を考えるとその類の言葉は結婚に向けて浮かれている期間限定のおめでたい幻想の可能性が高いので、鵜呑みにしない方が無難でしょう。
時代は過渡期なので、揺れる思いもありますが、これからは、結婚に養うとか養ってもらうという発想を持ち込まず、それぞれが自分で生きていける術を持っていくことがますます重要になっていくはずです。そのためにも、お金に関する問題はシビアに考えていくようにしてください。