たった10日間で幕を閉じた狂乱、それはまるで本物の祭りのようだった――。12月4日、ソフトバンクとヤフーが共同設立したスマホ決済サービス「PayPay」で商品を購入すれば、20%相当の“PayPayボーナス”として還元されるといったキャンペーンが突如としてスタート。日用品ならファミリーマート、高額家電ならばビックカメラやヤマダ電機で「実質2割引き」として使えることから、一夜にして“PayPay祭り”が広がった。
さらに、40回に1回という高い発生確率で、支払額の全額がキャッシュバックされるキャンペーンも同時開催。Yahoo!プレミアム会員なら確率が20回に1回、ソフトバンクかワイモバイルのスマホユーザーなら確率が10回に1回にアップするとされたことから、「高額商品を買って全額キャッシュバック狙い」の人も各地で続出。その結果、ソフトバンク会長・孫正義氏の発案による前代未聞の「ばら撒きサービス」は大盛り上がりを見せ、予定されていた「100億円」にたった10日間で到達したため、当初は2019年3月31日までの予定であったはずのこのキャンペーンは、惜しまれつつも終了となった。
さらにSNS上ではこのキャンペーン終了前後から、PayPayアカウント作成時のシステム処理にセキュリティ上の問題があり、“クレジットカードを通じて不正利用された”といった声まで上がり、大問題に。そういうネガティブな意味でも問題含みながら、いまだ興奮冷めやらぬこの“PayPay祭り”。その“功績”を、ある大手全国紙の経済部記者はこう語る。
「高額商品狙いをしやすい家電量販店だけでなく、ファミリーマートでの購入もキャッシュバック対象に入れていたのがよかったですね。ちょうど10月1日からはたばこが値上がりしたタイミングでもあったので、ファミマでたばこをカートン買いする人も続出。また、いわゆる“転売ヤー”たちはビックカメラやヤマダ電機に並び、高値で転売しやすいプレステやNintendo Switchを買い漁っていました。ソフトバンクやワイモバイルユーザーなら10回に1回は全額キャッシュバックされる計算なわけですから、たとえ機種変してでも、ここぞとばかりに買い漁る者がいてもおかしくない。12月6日には大事件となったソフトバンクの通信障害があり、一部ユーザーたちを相当やきもきさせましたが、それをも不問に付されるぐらい、このばら撒きサービスはインパクトが絶大でした。
しかし、この“PayPay祭り”キャンペーンのマスコットキャラクターが、先日『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)の“ヤラセ疑惑”でやり玉に上げられた宮川大輔だというのも、何か運命的なものを感じてしまいましたね。もちろんこちらのPayPay祭りは、ヤラセではなく本物の祭りでしたが(笑)」
非公開: ソフトバンク大規模通信障害が与えた影響 インフラとしての重要性痛感せざるを得ない
12月6日午後1時39分頃より発生したソフトバンクの大規模な通信障害は、大きな混乱を招いた。電話がつながらない、インターネットにもつながらないという状…
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