政治・社会

未婚のひとり親への寡婦控除適用に自民党「伝統的な家族観が崩れる」

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Thinkstock/Photo by Rostislav_Sedlacek

 自民、公明両党が12月14日に決定した来年度与党税制改正大綱で、未婚のひとり親への寡婦控除の適用が見送られた。

 寡婦(寡夫)控除とは、配偶者と離婚・死別した者が「寡婦(寡夫)」として所得税や住民税の軽減が認められる制度である。しかし、婚姻歴のない未婚のひとり親は法律上「寡婦」とはならず、寡婦控除の適用外となっている。

 厚生労働省は今年8月、未婚のひとり親も寡婦控除の対象にするよう、財務省などに求める方針を明らかにしていた。

 ところが今月、来年度の税制改正の最終調整で、未婚のひとり親への寡婦控除適用をめぐって、自民、公明両党は意見が対立。公明党が「未婚のひとり親も、婚姻歴があるひとり親と同程度の減税措置を」とひとり親への寡婦控除適用を主張するのに対して、自民党は「伝統的な家族観が崩れる」「未婚での出産を助長する」「事実婚との区別がつきにくい」などと抵抗を示した。

 これが争点となって両党の最終調整は難航し、12月13日に予定されていた来年度の与党税制改正大綱のとりまとめが14日以降に延期されたという。ちなみにこの問題は、昨年行われた今年度の税制改正でも議論になっていたとのことだ。

 そして12月13日夜、自民、公明両党は、未婚のひとり親への支援について、寡婦控除適用は見送り、代案として来年度は住民税の軽減、および児童扶養手当を年間1万7500円増額することで合意。

 現段階では、婚姻歴のあるひとり親と未婚のひとり親とでは、住民税非課税の対象となる年収額に差が設けられている。16歳未満の子を育てている場合、婚姻歴のあるひとり親は年収204万円以下で住民税非課税の対象なのに対して、未婚のひとり親は年収156万を超えると課税対象。婚姻歴の有無で差が生じているのだ。

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 来年度の税制改正の結果、16歳未満の子を育てる未婚のひとり親は、婚姻歴のあるひとり親同様、年収204万で住民非課税が適用される。また、来年度は年収365万円以下の未婚のひとり親を対象に、寡婦控除による所得税軽減の相当額として、児童扶養手当が年間1万7500円増額される。いずれも、婚姻歴の有無によって生じていたひとり親支援における格差を小さくするための措置といえよう。

 しかしながら、来年度の税制改正をもってしても、未婚のひとり親に寡婦控除の適用は認められず、税制上、未婚のひとり親と婚姻歴のあるひとり親は同等ではない。

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