未婚のひとり親への寡婦控除適用に自民党「伝統的な家族観が崩れる」

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 一方で、未婚の親は増加傾向にある。厚生労働省が実施した「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」によると、母子世帯になった理由は、「離婚」79.5%、「未婚の母」8.7%、「死別」8.0%と、「未婚の母」が「死別」を上回っている。平成23年度調査でも、「離婚」80.8%、「未婚の母」7.8%、「死別」7.5%と、やはり「未婚の母」が「死別」よりも多かった。子どもを育てる家庭の環境が多様化している中で、「伝統的な家族観」にこだわり母の婚姻歴を問うたところで、誰が得するのだろうか。もちろん、たとえば未婚の母が0.1%だったら斬り捨てていいのかといえばそれも違う。

 しかも、母子世帯の母自身の平均就労収入(母自身の平成27年の年間就労収入)は200万円と極めて低い。母子世帯になった理由別に見ると、「離婚」205万円、「未婚の母」177万円、「死別」186万円と、離婚や死別による母子世帯よりも、未婚による母子世帯の就労収入は下回っている状況だ。母子世帯の貧困傾向が顕著だと明らかになって久しい状況で、「伝統的な家族観」にこだわる理由がどこにあるだろうか。

 何より、ひとり親支援とはすなわち、ひとり親家庭で育つ子どもに対する支援のはず。親の婚姻歴の有無によって税法上に格差が設けられているのは、結局は子どもを差別していることになる。未婚のひとり親への寡婦控除適用を躊躇う理由として、自民党は「伝統的な家族観が崩れる」「未婚での出産を助長する」「事実婚との区別がつきにくい」などと挙げていたが、いずれも子どもには責任のない事柄であり、大人の勝手である。どのような形の家庭であろうとも、そこに育つ子どもがいる以上は、国が支援対象から外してはならないのではないか。

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未婚のひとり親への寡婦控除適用に自民党「伝統的な家族観が崩れる」の画像2 ウェジー 2018.09.02

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