『THE W』女性芸人はなぜ「ブス」「デブ」「モテない」ネタばかり披露してしまったのか

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Aマッソ・加納「女芸人はデブとブスしか求められてない」

 新道の見解はお笑い界の現状を端的に示したものであり、その業界内において「芸人=男」であり「女芸人」は量的には圧倒的に少ない。また、テレビバラエティとして「女芸人」が「ブス・デブ・モテない」ことを求められてきたこともたしかだろう。

 思い出されるのは、今年2月の『ゴッドタン』(テレビ東京系)で、女芸人コンビ「Aマッソ」が漏らしていた悩みだ。

 「Aマッソ」の加納愛子は、「女芸人はデブとブスしか求められてない」と言い、そのどちらでもない自分たちは視聴者にとって「見方わからへん」のだと自己分析。さらに、番組製作側からのアンケートでは「彼氏いますか?」「付き合った人数は何人?」といった内容ばかりを聞かれ、番組ゲストにイケメンが来たときは「キャー!」などと黄色いリアクションを求められる……と、女芸人ならではの苦悩を明かしていた。

 これに対し、劇団ひとりが「そこまでやり方がわかってるなら、見た目を奇抜にするとかやってみたらいいんじゃない?」とアドバイスしたが、加納は「嫌っすね」と一蹴した。「女芸人だから」ではなく、「ネタの面白さをちゃんと評価されたい」「普通に売れたい」という彼女の思いは至極まっとうなものに思える。

 Aマッソのコントには、「女芸人、賞レース勝たれへんねんで」「女芸人おもろなってる言われてるけど、あんなの嘘やぞ。テンプレート蔓延してるだけや!」といった批判的なセリフが織り交ぜられ、女芸人の「テンプレート」に迎合する気がないことは明らかだ。実力だけでのし上がってやるという気概にあふれている。

 『THE W』をめぐって噴出した、「女芸人つまらない問題」。「ブス」「デブ」「モテない」などの自虐ネタがもはや笑えないことは明白だが、しかしそれを強要しているのはいったい誰なのか? 女芸人たちは見えない縄でぐるぐる巻きにされているとも言える。その縄をぶちぶちと引きちぎるか、あるいはそもそも縛られることを拒否した女芸人たちが台頭していくか。

 いずれにせよ「女芸人のテンプレート」を破れるのは、女芸人しかいない。ここからの一年次第で、来年の『THE W』を「ちゃんと笑える大会」にすることもできるだろう。

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