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同意なき性行為による性被害をなくすには? 刑法の見直しと性教育の充実が不可欠

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Thinkstock/Photo by triocean

 12月8日の『田村淳の訊きたい放題!』(MX系)では、昨年7月110年ぶりに性犯罪に関する刑法が改正されたことを議題に挙げ、日本における性犯罪についての激論が交わされた。

 VTRゲストとして出演したヴィクトワール法律事務所の徳永祐一弁護士は、具体的に改正されたポイントを次のように解説する。

 「1つ目は強姦罪・準強姦罪の見直しです。昔は『女子を姦淫(膣性交)した者』とされていたんですけども、女子だけでなく男性を含む“人一般”に被害者が拡張されています。昔は姦淫といって性交に限られていたんですけども、おしりと口も性交に含まれるようになっています」

 性犯罪の被害者を性別で区別することがなくなり、性交の定義もより広く捉えられるようになったという。また徳永弁護士は、「昔は『3年以上の懲役』と定められていましたが、厳罰化の要請を受けて『5年以上の懲役』と改められています」と説明を加えており、より重い罰則となったことを強調した。

 さらに、昨年7月には「監護者わいせつ罪」「監護者性交等罪」も新設されている。改正前は見逃されるケースが多かったという、監護者(親、養親、養護施設等の職員など)による18歳未満の子どもに対するわいせつ行為を処罰するものだ。

 また、「非親告罪」への変更についても触れられた。改正前の「親告罪」では、被害者に選択権を委ね、被害者の告訴がなければ起訴できなかった。しかし、被害者が自らの口で被害を明かさなければならない負担が問題視され、変更に至った。

 徳永弁護士は、「訴訟件数は増えているような感覚はあります。それは総件数が増えているというよりは、これまで訴え出られていなかったものも取り締まられるようになったことで、件数が増えているように感じると思っています」と、司法現場の視点から、改正後の印象を語っていた。

性犯罪は警察が動きにくい

 しかし同番組では、それでも是正されない性被害の実態についても言及された。

 スタジオゲストの伊藤和子弁護士は、刑法は改正したものの泣き寝入りしている人が多く、性犯罪の認知件数が増えていかない問題がある、という。

 「政府の調査で、20代から50代の女性で、無理やり性行為された経験のある人は1割ぐらいいるんです。数百万人の規模でいるんですけど、年間で性犯罪の認知件数が1千件以下ぐらい」(伊藤弁護士)

 強姦罪の認知件数は、実際の被害数よりも圧倒的に少ないのだ。

 その理由について、「警察に行っても相手にしてもらえない。それから、起訴されない。有罪までいかないことがすごく多いんです。なぜかというと、すごく要件が厳しい。日本の刑法では暴行または脅迫。もしくはお酒を飲んだりして、全く意識がないような要件がないと、起訴できない、となっている」と、加害者を起訴するための条件が厳しいことを指摘している。

 また、伊藤弁護士は続けて、海外の事例を紹介した。

 「世界的にもそれが問題になっていて、スウェーデンやイギリス、ドイツは暴行とか脅迫などの要件をなくして、意に反する性行為をした場合は全て“レイプ罪”として処罰する。日本の被害者団体も、同じような法改正を望んでいる」(伊藤弁護士)

 海外に比べて遅れを取っている日本の現状について伊藤弁護士は、「加害者が味をしめて、また同じことをやってしまう」と危惧しており、「ぜひ、ここの要件を緩和してほしい」と訴えた。

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