忘年会を嫌っているのは若手ではなく上司世代? ハラスメント意識の高まりが「昔は良かった」を生む

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Thinkstock/Photo by kuppa_rock

 今年も本格的な忘年会シーズンが始まったが、会社の忘年会にはやはり賛否両論があるようだ。

 株式会社スペースマーケットは11月下旬、ビジネスパーソン1585人を対象に、「忘年会」に関する調査を実施した。その結果によると、「職場の忘年会は“仕事”の一貫だと感じているか」という問いに71.3%が「はい」と回答している。さらに、「職場の忘年会は勤務時間内に実施してほしいと思いますか?」という問いには、48.8 %が「はい」と答えている。もはや「忘年会=仕事」と捉えている人も多いようだ。

 実際に、「職場の忘年会への参加意欲」について質問すると、39.6%が「参加したくない」と回答している。その主な理由は、「プライベートを優先したい」(24.1%)、「上司の対応が面倒くさい」(18.5%)、「会費が高い」(12.2%)が票を集めた。また、49.7%が「職場の飲み会における、上司の対応は面倒くさい」と感じているという。

 この結果を、昨今の若手社員の特徴とされる「会社のつきあいよりプライベートを重視する」「上司とのコミュニケーションに消極的」につなげて、「飲み会に行きたがらない若者」を嘆くことは簡単だ。実際に、忘年会に対してネガティブな印象を抱いている若手社員も多いだろうが、しかし実は上世代の方が、忘年会を楽しめていないのかもしれない。 

忘年会を嫌っているのは上の世代?

 株式会社ネオマーケティングが、ビジネスパーソン1000人に実施した調査によると、「忘年会は好きか」という設問に、20代は「好き」(19.0%)、「やや好き」(24.5%)と4割以上がポジティブな回答をしている。しかし一方で、40代は「好き」(10.0%)、「やや好き」(22.0%)。50代は「好き」(10.5%)、「やや好き」(18.5%)で、40代50代ともに好意的な回答が3割程度と、20代より10ポイントも低かった。

 忘年会を好きではない理由を調査すると、20代はやはり「上司・部下と会話をするのが億劫だから」(58.5%)が最多となった。とはいえ、20代は決して上司を避けているわけではない。

 先述した株式会社スペースマーケットの調査では、職場の忘年会で求めていることを聞いたところ、20代の39.6%が「人間関係を深めたい」と答えており、40代(13.5%)50代(16.1%)の各世代の中でも突出して高い結果となった。さらに、「普段とは違う空気を楽しみたい」という回答も20代(33.2%)、40代(18.8%)、50代(22.0%)と忘年会について前向きな姿勢を見せている。上司とのコミュニケーションを億劫に感じつつも飲みの場を楽しむ意欲は持っているという、若手社員のジレンマが垣間見られるようだ。

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