そのひとつが、2018年11月19日に放送された『歌のゴールデンヒット -年間売上げ1位の50年-』(TBS系)だ。
この番組は、1970年代から現在に至るまで50年間のヒット曲を、売り上げランキングをもとに紹介。名曲とともに昭和から平成を振り返るという趣向で、1年ごとにいちばん売れたヒット曲を取り上げていた。
ここでおかしなことが起こる。2002年の浜崎あゆみ「Independent」から2004年の平井堅「瞳をとじて」に飛んで、2003年のヒット曲紹介はまるごとカットされてしまったのだ。
2003年のヒット曲として紹介されるべきは、SMAPの「世界に一つだけの花」である。「世界に一つだけの花」といえば、SMAPが解散の危機に瀕していた際にファンの購買運動が起こり、リリースから10年以上経って再びチャートを駆け上がったことも記憶に新しい。
この不可解な番組構成がどういう経緯で行われたのかは判然としないが、少なくとも「圧力」もしくは「忖度」のどちらかが働かない限り、こういった不自然な編集にならないことだけは確かだ。
ジャニーズ事務所がマスコミに「元SMAP」の呼び方を禁止
SMAPをめぐって、いまだにジャニーズ事務所とメディアの間で微妙な空気が蔓延していることを示す例は他にもある。
たとえば、今年10月に東京スポーツは、木村拓哉が主演した映画『検察側の罪人』(8月24日公開)プロモーションの際にジャニーズ事務所が「元SMAP」という名称の使用禁止令をメディアに通達していたと報じた。
また、11月13日発売の「FLASH」(光文社)では、大晦日恒例の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)の「笑ってはいけない」シリーズが昨年、新しい地図の3人に出演のオファーを出していたものの、ジャニーズ事務所の妨害で白紙になってしまったとも報じている。
もうすぐでSMAP解散から丸2年が経とうとしている。新たな道を歩む元メンバーたちをジャニーズ事務所やメディアが邪魔をするような構図は一刻も早く瓦解してほしい。
(倉野尾 実)
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