『あなたには渡さない』ついに男を奪い合わなくなった女たちの熱いヒロイズム

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 通子が「じゃあ聞くわ。私にはもう未練はないんですか」と訊くと、旬平は「俺のほうこそ聞きたいよ。お前はもう俺に未練はないのか」とスネたような物言い。なにを考えているのかサッパリ分からない。出し抜けに旬平は、店の看板メニューという「海鮮コロッケ」を差し出した。コロッケの味は「花ずみ」にはほど遠く、通子は旬平が変わってしまったことを痛感する。「俺はもう、花ずみの味は忘れた」という旬平の言葉を聞いて、通子は静かに涙を流すのだった。

 その後、通子が「花ずみ」に帰ると、笠井が会社で不正を働いたことがニュースで報道されていた。さらにそこには、悪女として多衣の存在まで書き立てられている。笠井の不正は「花ずみ」を立て直すために使った6000万円の件だった。「みっちゃんにも警察の調べがあるかもしれないが、多衣から借りたと言えばいい」と助言する。心配した通子はとりあえず笠井に会いに行くが、そこに突然現れた多衣がなんと、笠井と結婚すると宣言!! 出汁の矢場は!?

 妊娠した子の父親は笠井だとか言いはじめた多衣に、笠井もなぜか否定しない。多衣のお腹には矢場の子がいると見抜いていた通子は、多衣がわざと悪役を買って出て「花ずみ」や自分を守ろうとしているのだと直感、多衣に激怒する。しかし多衣は、旬平にとっては通子とやり直すことが本当の幸せだと、通子を強く説得するのだった……。なんとも自己犠牲的というか、なかなかにヒロイズムの強い多衣だ。

 旬平が姿を消してからあっさり1年後に話が飛び、視聴者の中には「もっとなんか、こう……探したりとかないの!?」「旬平なしで繁盛してる店にいちばん驚く」「誰も旬平に会いに行こうとしないってどういうこと……」と困惑する人が続発。しかも通子と多衣、どちらが旬平を迎えに行くかの局面ではもはや互いに譲りあっているようにも見え、旬平の立場はいったい……という状態だった。

 旬平を取り合わなくなってしまったふたりの女……これまでのストーリーの全否定もはなはだしいが、それでも通子は多衣の言葉を受け入れ、旬平に戻ってきてほしいと説得するのか――? 通子と多衣、旬平と笠井が繰り広げた壮絶な四角関係だが、最終的には通子と多衣のラブストーリーのようですらある。最終回は見ものである。

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