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Love-tuneのファンよ、過去に学べ! 2018年の“悲劇”から振り返る、1970年代“黎明期ジャニーズ”考古学

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【3】他事務所に所属していたタレントのデビュー

 2018年の明るい話題といえば、5月のKing & PrinceのCDデビューがある。『紅白歌合戦』出場も決まったこのユニットのメンバー・平野紫耀は、珍しい経歴を持っている。平野はジャニーズ入り前に名古屋の芸能プロに所属し、ローカル男性ユニット「BOYS AND MEN」の初期メンバーとしてステージに立っていたのだ。

 このように、以前は他事務所に属してアイドル活動をしていた人物がジャニーズ事務所に登用されるのは、最近ではかなりレアケースだといえる。だが、1970年代にはこうした例は複数あった。

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1971年に当時のビクターより発表された内田喜郎の「ミスター・ロビンソン」

 1971年に「ミスター・ロビンソン」でデビューした内田喜郎は、子どもの頃から劇団に属し子役として活動していた。今もHey! Say! JUMPの有岡大貴のように似た経歴を持つメンバーはいるにはいるが、内田の場合は事情が違う。10代半ばになると映画会社大映の専属となり、『高校生ブルース』といった青春映画数本に主役級で出演するという実績を重ねてからのジャニーズ入りだったのだ。

 つまり、いってみれば他事務所の若手イケメン俳優がジャニーズに移籍し、歌手としてソロデビューしたということになる。

 1976年に「こんな娘が好き」でデビューした未都由は、さらにレアなパターンだ。というのも、この人物はジャニーズ入りする前に、「ピクル」という男性2人組ユニットとして歌手デビューしていたという前歴があるのだ(本名の篭山達夫名義で)。だが、このユニットはシングル2枚で活動休止。その後、ジャニーズに入り、「ミーとユー」をもじったいかにもジャニーズ的な芸名を与えられ、ソロデビューの幸運を得ている。ただし、森谷泰章、殿ゆたか同様に、こちらもきわめて短期間で事務所から放出されている。

【4】他事務所の男性アイドルとの共演

 この夏、中居正広が司会の歌番組『音楽の日2018』(TBS系)に、再ブレイクを果たしたDA PUMPが出演。『U.S.A.』のパフォーマンスの中で、「世界に一つだけの花」の振り付けを取り入れ、それに対し中居がリアクションをするという一幕があった。

 現在でもジャニーズ勢が超特急やBOYS AND MENと共演することはほぼ皆無なように、かつては『紅白歌合戦』を例外として、SMAPとデビュー当初のDA PUMPが同じステージに立つことなどあり得ないことだった。

 それが、長い時を経て、元SMAPの中居とDA PUMPのISSAとが、ほかのジャニーズ勢も出演する歌番組でコミュニュケーションを図ったというわけだ。“現在のDA PUMPをアイドルと呼ぶべきかどうか?”という問題はあるものの、これは画期的な出来事としてSNSなどで大きな話題になった。

 しかしこのように、ジャニーズの所属アイドルが他事務所の男性アイドルと共演することは、1970年代から1980年代半ばぐらいまでには、きわめてよくあることだった。

 特に顕著だったのが、NHKの音楽番組『レッツゴーヤング』内でのことだ。この番組には、男女合わせて10人程度のアイドルがレギュラー出演していた(定期的にメンバーの入れ替えあり)。そのメンバーは「サンデーズ」と呼ばれ、番組内でアシスタント的な仕事をしたり、オリジナル曲を披露するなどしていた。

 歴代サンデーズには、川﨑麻世、未都由、田原俊彦、ひかる一平、植草克秀、中村成幸(現・繁之)と、必ずジャニーズのメンバーが組み込まれており、彼らは他事務所所属の男性アイドルと同格扱いで一緒に歌ったり、踊ったりしていたのだ。

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『ゴールデン☆ベスト 川崎麻世』(販売:Sony Music Direct)

 特にこの色合いが強かったのが、1970年代後半のジャニーズのエースだった川﨑麻世(1977年デビュー)の在籍時。番組内では、川﨑とサンミュージック所属の渋谷哲平の2人を“公式ライバル”的に売り出し、「麻世VS哲平」というスペシャル企画を番組内で用意するなどしていた。

 さらに2人のライバル関係は『レッツゴーヤング』内にとどまらず、なんとジョイントライブまで行われている。

 ジャニーズ冬の時代は、1980年にサンデーズ入りする田原俊彦、そして近藤真彦、野村義男の「たのきんトリオ」の大ブレイクにより終わりを告げる。以来現在まで、男性アイドル市場を独占する時代が続くのである。

(文/ミゾロギ・ダイスケ)

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