『池の水ぜんぶ抜く』は、まだテレ東のキラーコンテンツとして快進撃を続けられるか

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 ロケ現場では、一般ボランティアとして集められた1千万人が池の中を踏み荒らし、多数の魚が死んでいたという。捕獲した魚を保護するバケツも圧倒的に足りなかったようだ。原因は、専門家の不在とスタッフ数の不足であり、現場は混乱していたようだ。

 また、今年8月には「週刊新潮」(新潮社)も番組の問題点を報道。7月の放送回では、千葉県の寺の池に棲息する外来種・ブルーギルの駆除が行われたが、生態学の専門家は、生態系を守るためにはケースバイケースで異なる駆除方法が必要であり、「外来種=悪」と決めつけることを「極端」と苦言を呈した。また、ロケには地元の小学生50人が参加していたが、バケツに生き物を放り込むという実態に、「子どもたちに乱暴に動物を抹殺させるのは、教育上いいとは思えない」と、厳しい苦言を呈している。

 さらに、2018年10月の放送回では長崎県大村市・大村公園の堀の水を抜いたが、このロケで約3千匹のボラが大量死した可能性を「週刊文春」(文藝春秋)が報じている。堀の水を抜き去ったあと、ボラは湧き水で洗われ、ビニールシートを張った簡易水槽で保護。それから一度別の池に移して海へ放流した……というが、ロケに居合わせたNPO法人「おさかなポストの会」の山崎充哲代表は、おびたたしい数の魚が傷つき息絶えていったようすを目撃したという。山崎氏は、「無理やり移動させられた魚たち約3千匹は死んでしまったとみて間違いない」と証言。クロダイ、チヌ、カワイワシなどは、全滅してしまったのだろうか。

 「生き物を守る」という番組の趣旨がないがしろになってしまっている可能性を指摘されてきた『池の水ぜんぶ抜く』だが、そもそもこれだけ大掛かりなロケを頻繁に慣行することは無理が生じても仕方ないのかもしれない。放送を重ねるたびに問題が噴出する……という状況では、番組ファンも純粋に楽しめないだろう。

 2018年11月には、裏番組となる人気バラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)の祭コーナーにヤラセがあったことが発覚。一時は打ち切りも懸念された『イッテQ!』は、現在も放送を続けているが、番組を見る視聴者の目が変わってしまったことは否めない。「バラエティだから、このくらいふざけていい」という業界内ルールも、変革を余儀なくされていると言っていいだろう。

 だが、そこは柔軟性に富んだテレビ東京。『池の水ぜんぶ抜く』のスピンオフ企画として『緊急SOS!! 最強探知機で日本の“お宝”ぜんぶ掘る大作戦』なる番組をすでに誕生させている。こちらもロンドンブーツ1号2号田村淳ら『池の水』レギュラー陣が奮闘しており、同じ出演者・スタッフで似て非なる企画をやるというアイディア勝負だ。飽きられる前に次を開拓する、テレ東のフレキシブルな姿勢は、よその局も真似したいところだ。

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