PayPayで100億円を使ったソフトバンク孫正義氏の勝負勘

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 その答えのヒントは、先行している中国の「アリペイ」にある。中国では、露店でもQR決済が普及している。露店のような加盟店にとって、クレジットカードの数パーセントの手数料は痛い。しかし、「アリペイ」は、原則として手数料が発生しない。そういう背景もあって、QR決済を導入する加盟店が急拡大した。しかし、急拡大しても「アリペイ」には手数料収入が入らない。

 では何が「アリペイ」のメリットかというと、次の3点が挙げられる。

1)        付帯金融収入
カード会社がリボルビング払いの利息を大きな収入源とするように、利息をつけた金貸しという付帯事業が大きな収入源となっている。

2)        ビッグデータ
利用者がいつ、どこで、どんな目的で決済をしたかという利用者のビッグデータが蓄積される。これはマーケティングの大きなメリットになる。

3)        広告収入
利用者が増大することでアプリに表示される広告スポンサーからの収入。上記のビッグデータが蓄積されればされるほど、広告主も精度の高い広告を打つことができる。

 日本のQR決済企業も、これら3点のメリットを享受するために、競争と狂騒のさなかにいる。言い換えれば、はるか先のメリットを享受するためのガマン比べが続いている。

 キャッシュレスは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、政府の後押しもある。静かなスタートが始まっていたQR決済レースで、PayPayが大爆走を始めた。このレースは、メリットを受けるまでの体力勝負だ。

 ガマン比べをしのぎ、勝つのは誰か?

 レースから脱落する敗者は誰か?

 今後の動きに注目していきたい。

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