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変わりゆく保健体育の授業 「できる」「できない」より「楽しむ」という視点を

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Thinkstock/Photo by DAJ

 スポーツ庁は12月24日、中学2年の生徒を対象に実施した「平成30年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果」の結果を発表した。保健体育の授業で「わかる」「できる」と実感している男子生徒の8割は「運動やスポーツは大切」(80.5%)と回答しているが、全く実感したことのない男子生徒の同じ回答は31.0%と、50ポイント以上も離れていることがわかった。

 また、「わかる」「できる」と実感している男子生徒は、「中学校を卒業しても、自主的にスポーツする時間を持ちたいと思う」(83.9%)とこちらも8割以上となっているが、全く実感したことのない男子生徒は34.7%と、大きく落ち込んでしまう。中学の保健体育の授業における達成感や充実度は、生徒のスポーツの捉え方を、将来にわたって方向づけているようだ。

保健体育が「できる」は、不登校を抑制するか

 誰しも「できない」より「できる」ほうが楽しいのは当たり前のことだが、保健体育の授業を「わかる」「できる」と実感している生徒は、コミュニケーションにも前向きな姿勢を見せる結果も得られている。

 保健体育を「わかる」「できる」と実感している生徒は、「授業中において友達やチームで話し合いをよく行っている」(71.2%)と積極的にクラスメイトとコミュニケーションを取ると回答しているが、全く実感していない男子生徒の回答は12.0%に留まっている。また、「授業において友達との助け合いや役割を果たす活動をよくする」にという質問についても、「わかる」「できる」をよく実感している男子生徒は75.3%、全く実感のない男子生徒は13.7%となっている。この差は顕著だ。

 別の資料と照らし合わせてみよう。文部科学省の「平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」では、不登校の中学生にその理由を問うたところ、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」(28.2%)との回答が得られている。コミュニケーションに起因する不登校児は、3割近くいるということになる。ここで先の調査と照らし合わせてみれば、少々飛躍する理論にはなるが、保健体育の授業を現状で不得意に感じている生徒に「わかる」「できる」実感を持たせるアプローチをすることが、コミュニケーションの充実化に結びつき、ひいては不登校の予防にも効果をもたらすかもしれない。

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