「経皮毒」周辺の都市伝説
ノジル:なめ子さんは、いつごろからスピリチュアルの世界に興味を持ち始めたんですか?
なめ子:子どものころから好きだったんですけど、なかなかそういう話ができませんでしたね。周りに興味を持つ子がいなかったし、ひとりでそれをいうと“不思議ちゃん”と思われそうで。テレビ番組の『オーラの泉』がヒットしたり、パワースポット・ブームが起こってから、話しやすくなりましたね。
ノジル:そこからいままで、いろんなジャンルのスピリチュアルを見てこられたと思いますが、あとで振り返って「あれは呪いに近かったなぁ」というのはありますか。
なめ子:かなり前ですが、エステで“経皮毒”について聞かされて、うっかり洗脳されそうになったことがあります。とてもきれいなエステティシャンの女性がマッサージしながら、そのお話をするんですよ。「私の知り合いで死後の解剖の現場に立ち会った人がいうには、死体からシャンプーの匂いがしてきたらしい」って。あの体勢って、すごく洗脳されそうですよね。自分は無防備な格好で全身を預けているというのも、うっかり信じてしまいそうなシチュエーションです。
※経皮毒=シャンプーなどの日用品含まれる有害物質が皮膚から体内に吸収されることをいい、一見学術用語のように見えますが、実はただの造語
ノジル:完全に都市伝説ですよね。『呪われ女子~』で紹介しているのも、「シャンプーの経皮毒が子宮に溜まる。産婦人科医や助産師が羊水からシャンプーの匂いがしたといっている」というお話で、ディテールは違いますが、とても似ていますね。まあ、こちらは実在する産婦人科医の池川明氏が広めているのが問題なのですが。
なめ子:それから、霊能者の方からセッションとか受けたりすると、何度か通ううちにその人自身の話を延々とされたり、お説教されたりという経験もあります。「浜田ブリトニーさんを見習え」「彼女のように明るく楽しく表現しないとダメだ!」みたいなことをいわれて。
私の知り合いは、霊能者の機嫌を損ねるようなことをいったら本当に呪いをかけられて、免疫力を下げられて具合が悪くなったそうです。
ノジル:そんなことをいわれてしまうんですか、すごい! なめ子さんはスピリチュアル愛好者であることを公言されているので、ほかの愛好家からディープなもの薦められることはありませんか?
なめ子:薦められたりはするんですけど、初回料金で体験するぐらいでいいかなと思いますね。正規のお値段でが高いものが多くて。
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ノジル:そうですね。なかには高額を払うに値するものもあるのかもしれませんが、最近ではスピリチュアルの皮をかぶったキラキラ商売が多くて、遠隔操作でDNAを書き換えるとか、ネット上で札束を見せてお金の循環をよくしようとか、あちこちで搾取が見られます。
なめ子:アメブロを見ていると、たいへん高額なセミナーやオンラインサロンを開いている引き寄せ系の人たちを見かけますね。もし自分が心が弱ってたいたら、もしかしすると足を踏み入れちゃうかなって気持ちはあります。
ノジル:そういうときは、誰でも危ないですよね。