ライザップ赤字転落と「高輪ゲートウェイ」という珍妙な名称に共通する「奪い合いのビジネス」

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「高輪ゲートウェイ」概観イメージ プレスリリースより

 山手線の新駅名が「高輪ゲートウェイ」という奇妙な名称に決まった。メディアではこれを疑問視する記事がたくさん出てきたし、おそらく多くの人がこの駅名に違和感を感じているだろう。

 だが今の日本が置かれた状況を考えると、こうした珍妙なネーミングは今後、さらに増えてくる可能性が高い。

公募1位は「高輪」と極めて常識的な結果だった

 JR東日本は2020年の暫定開業を目指して、品川−田町間に新駅の建設を進めている。品川−田町間にはかつてJRの車両基地があり、駅間距離が長かった。ダイヤの見直しなどによってこの車両基地が不要になったことで、都心としてはかつてない規模の再開発用地が出現することになった。

 広大な土地を活用し4棟の高層ビルが建ち並ぶ大型開発を実施するというのが今回の計画の趣旨であり、その中核に位置付けられているのが山手線の新駅である。

 2018年6月に駅名について公募したところ6万4000件を超える応募があり、トップは「高輪」、2位が「芝浦」、3位が「芝浜」と極めて常識的な結果となった。ところがJR東日本は、新駅の名称を「高輪ゲートウェイ」にすると発表。多くの人があっけにとられた(ちなみに高輪ゲートウェイは130位)。

 同社の選考委員会は「日本と世界をつなぐ結節点の願いを込めた」と説明しているが、案の定、メディアやネットの反応は駅名を疑問視するものがほとんどだった。なぜこの名称が駅名としてふさわしくないのかは、すでに多くの人が指摘しているので、ここでは割愛するが、重要なのはなぜこうした奇妙な駅名に決まってしまうのかという部分である。

 大きな理由は2つあると筆者は考えている。ひとつは今の日本では再開発プロジェクトくらいしかマネーが動く案件がなく、すべてが再開発ありきになっていること。もうひとつは構造的な経済の弱さによって、市場が拡大せず、常に顧客の奪い合いというゼロサムゲームになっており、過激な演出で人を集めないとビジネスが成立しなくなっていることである。

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