麺や 七彩(八丁堀)/猪肉を豪快にフィーチャーした、ド迫力の“二郎系”味噌ラーメン
続いて足を運んだ2軒目は。JR京葉線、または東京メトロ日比谷線の八丁堀駅から徒歩約3分の「麺や 七彩」(東京都中央区)だ。2007年2月に西武新宿線の都立家政駅のそばで創業し、2011年4月には東京駅のラーメンストリートに出店。そこから移転してくる形で、2015年7月に今の場所に落ち着いたという。
ここのメイン商品は福島のご当地グルメである「喜多方らーめん」なのだが、2018年の1年間に、4種ものジビエラーメンを新たに発表している。もみじ(鹿)を使用した「夏のもみじの冷やしラーメン」と「夏のもみじの冷やし担々麺」を季節限定で発売し、秋からは「もみじの担々麺」がレギュラーメニューの仲間入り。
しかし現在、ザンネンながらもみじの坦々麺は一時的に販売を休止しており、入れ替わりで登場したのが、今回紹介する「牡丹の江戸甘味噌らーめん」(1500円)だ。こちらは日本フードサービス協会が主催する「全国ジビエフェア」への参加商品であり、今年2月10日までの限定メニューとなっている。“牡丹”とはいわずもがな、猪肉のことだ。今年食せば、さぞかし縁起も良かろう。
もっとも、ラーメン1杯1500円というのは高価な部類だし、先ほどの「啜乱会」のザ・正油ラーメンの倍近い値段だ。少し憤慨しながらも食券を購入。麺の量は並・中・大が選べるということで、迷わず大を選ぶ。
この店の特徴は、注文を受けてから麺を手打ちし始めること。いささか時間はかかったが、厨房では本当に水と小麦粉を混ぜるところからスタートしており、その様子を眺めていれば退屈しない。
そして到着した1杯には、豚のチャーシューの代わりに猪肉がゴロゴロ入っていて、まるで“二郎系ラーメン”を想起させるかのようなインパクトがあるではないか!
麺よりもスープよりもまず先に、さっそく猪肉をつまんでみると、一般的なチャーシューに比べて繊維質でありながら、しっとりとした噛みごたえ。見た目のゴツさに反して柔らかいし、臭みもないのは驚きだ。骨つき肉が1本ドカッと乗っており、わずかに残っていた身にかぶりつくと、やはりワイルドな気分になれる。プルプルな脂身もたまらない。
猪肉以外の部分では、やはりこだわりの打ちたて麺は風味豊か。イタリアチーズが振りかけられた味噌スープも濃厚だ。いい意味でクセがある猪肉を、丼全体が一丸となって、見事に受け止めている。最後まで美味しくいただいた……麺の量を大にして、正解だった。