ハロー!プロジェクト(以下、ハロプロ)の8人組アイドルグループ「Juice=Juice」のリーダー・宮崎由加が12月21日、2019年春のツアーをもってJuice=Juiceならびにハロー!プロジェクトを卒業することを発表した。アイドルの卒業はファンにとっては耐え難いこと。ネット上でも悲しみや寂しさを訴えるファンも多かったが、その一方で今回の卒業の背景には“25歳定年説”なるものがあるとの声も多かった。
ファンによるそのような侃々諤々な状況に一石を投じたのが、同じくハロプロのリーダーであるアンジュルムの和田彩花だ。和田は自身のブログに、痛烈な“檄文”を公開したのである。
アイドルの言葉や行動をこそ見てほしい
宮崎は、YouTubeで配信されているハロプロの公式プログラム『ハロ!ステ』にて卒業を発表。同時に、公式サイトにも卒業に関するコメントが公開された。そこで宮崎は卒業を決断した理由について、〈今の私はJuice=Juiceにいるから輝かせてもらっているけれど、この先宮崎由加という1人の人間としても輝けるような何かを見つけたいと強く思うようになりました〉〈新メンバーもグループに馴染んできた今、個人的には25歳という区切りのいいタイミングでJuice=Juiceから卒業するという道を選ばせていただきました〉と説明。1人の人間としての成長を目的とした卒業だというわけだ。
しかし、この動画に対するYouTubeのコメント欄を見ると、「本当にハロプロは25歳定年なんだな」「やはり25の壁は高いんだなあ…」などといった投稿が多い。つまり、“ハロプロメンバーは25歳になったら卒業するという暗黙のルールがある”と認識しているファンも少なくないのだ。
確かに、今年12月にモーニング娘。’18を卒業した飯窪春菜、来年の春ツアーで卒業することが発表されているアンジュルムの和田彩花、そして宮崎は同学年。いずれも25歳前後で卒業することとなっており、“25歳で定年”というルールがあるかのようにも見えなくもない。しかし、当然ながら実際には、ハロプロ内においてそういった明文化されたルールが存在しているわけではない。
そして、宮崎が卒業を発表した翌日の12月22日、和田彩花が「2018年終わり」というタイトルでブログを更新。〈純粋素朴な気持ちが なぜこうもかき消されてしまいそうなのか〉という意味深な一文で始まるこのブログ。「宮崎由加」の名前も、「卒業」という言葉も、「25歳」という数字も出てはこないが、
〈具体的な年齢で物事を考えれば、
誰かにとって都合が良いのであろうか?
それがあなたへの慰めになるのか?
その視点がなければ、
私たちの行動を認め合うことができないのか?まるで私たちが行動を起こせないかのような?〉
と、明らかに“25歳定年説”を唱える人々に対するいら立ちが綴られているのだ。
続いて、〈そんなに私たちは無垢だと思われているのか?〉と、自分たちのパブリックイメージへの違和感を顕わにし、〈非常に残念だ〉と率直に述べる和田。最終的には、
〈とある人間の次なるステップを
純粋なその気持ちで考え出したその答えを
思いやることができないのか?
年齢を出して話を解決しなければいけない
2018年の終わりかけに、
がっかりだ〉
と、失望感にも似た思いを包み隠さず記している。
実際に、ハロプロ内に“25歳で定年”という暗黙のルールがあるのかどうかはわからない。しかし、〈とある人間の次なるステップを 純粋なその気持ちで考え出したその答えを 思いやることができないのか?〉と訴える和田は、“25歳定年説”などというファンの側の勝手な“見立て”を通してではなく、卒業を決断したメンバーのその言葉や行動こそを見てほしいと考えているのだろう。
卒業は“事務所の偉い人”による命令でもなんでもなく、あくまでも自分で決断するもの。ハロプロメンバーたちは、誰かの“操り人形”なのではなく、自分の意志で動いている──そんな当たり前のことをわざわざ説明しなくてはならない状況に、和田は怒りを感じているかのようにもみえる。