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公私入り乱れての忘年会シーズンの後は、年越しそばから一夜明けてのお節料理、さらに新年会ラッシュ……と、年末年始は暴飲暴食の機会が増える。
そこで「正月太り」を回避するための宴会メニューの選択術を紹介したい。一般的な宴会メニューに盛られる食材を分類し、摂り方の注意点を把握すれば、ダイエットをしている人でも、美味しく満足できるメニュー構成は可能だ。
肉類
意外にも肉はダイエットの強い味方だ。脂質(カロリー)を問題視しがちだが、意識的に「糖質」を制限すれば、肝臓での脂質分解がスムーズに行なわれるため気にしなくてよい。
焼き鳥、焼肉、ローストビーフ……なんでもOK。ただし、霜降り肉やフォアグラなど「不自然に脂質の多いもの」は控えたい。そして、意外と侮れないのが調味料。焼き鳥や焼肉の味付けも「甘いタレ」は避け、塩コショウや醤油を選んで楽しもう。
唐揚げやトンカツなどは、衣の糖質や揚げ油の酸化を念慮して、ほどほどに。ついつい手が伸びるウインナーやハムなどの「加工肉」は、添加物由来の糖質などを含むため、極力控えたい。
魚介類
魚介類の油は、DHAやEPA(いずれもヒトの体内でほとんど作ることができない必須脂肪酸の一種)などの中性脂肪を分解しやすくする「不飽和脂肪酸」だ。また、イカやタコなどに含まれる「タウリン」、貝類から得られる鉄・亜鉛・銅などの「ミネラル」、肝機能を向上させる「オルニチン」などを含み、魚介類はダイエットに限らず積極的に摂りたい健康的な食材だ。
ただし、先ほどの肉の味付け同様、砂糖・みりん・日本酒など(調味料由来の糖質が多い)を用いた煮物は控えたい。「刺身」「焼き魚」で魚介の新鮮さを堪能しよう。旨味が凝縮した「貝の酒蒸し」は、個人的にもイチオシである。
添加物由来の糖質が含まれる「カマボコ」「はんぺん」の加工食品には注意をはらいたい。もちろん、エビといえども、エビせん類はNGだ。
大豆食品
「植物性タンパク質」代表格で、栄養価も高い大豆食品は、宴会メニューでも重宝したい。モヤシも「単なるカサ増し」要員と侮るなかれ。エネルギー代謝を促進する「アスパラギン酸」がアスパラガスの2倍近くも含まれている。
豆腐サラダやモヤシ料理、枝豆もお薦めだ。しかし、一般的にはノーマークであるが要注意なのが、サラダや鍋物に使われる「春雨」。緑豆などのデンプン(主な成分は糖質)が原材料ゆえ、できれば控えたい一品なのである。
タマゴ
タマゴは、低糖質・高タンパクで、尚且つ料理の汎用性も高い理想的なダイエット食材だ。長年、卵を多量に食べると「血中コレステロール値が高くなる」と言われてきたが、最近になって血中コレステロールの値とは無関係だったことが明らかになった。むしろ、黄身には血中コレステロール値を下げる「レシチン」という成分が含まれている。
「だし巻き卵」「茶わん蒸し」など、繊細な調理も楽しめるタマゴ料理。生の白身には、体内の代謝を阻害する「アビジン」が含まれているため、加熱して食すのをオススメしたい。
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