「いつ結婚するの?」「いい人紹介しようか?」……親や親戚からのこうした質問に、頭を悩ませたことのある独身者は多いだろう。本人が望んでいないにも関わらず、他者がお見合いや結婚を強要することを“マリッジハラスメント”という。年末年始の時期は実家へ帰省する人も多く、マリッジハラスメントが最も頻発するシチュエーションと言っても過言ではないだろう。
株式会社ウルクスが男女165人を対象に実施したアンケート結果では、82.4%が年末年始に親や親戚から「結婚しないの?」とプレッシャーをかけられた経験があると判明している。同調査によれば、プレッシャーをかけられた際に、さまざまな手法を駆使して切り抜ける人も多いようだが、なかにはうまく立ち振る舞うことができず、肩身の狭い思いをした人も少なくない。
「今は仕事が楽しくて忙しいからと答えたが、仕事よりも家庭を築くことのほうが大事だからと言われてしまい、切り抜けられなかった(32歳 独身 女性)」
「その場は切り抜けられず、その後、結婚相談所に入りました。(40歳 既婚 女性)」
「『結婚しないのだったら、一人でこの家の維持してくの大変だろうからアパートにみんな(両親と私)で引っ越そうか』と親に言われて、返事が出来ず黙り込んでしまいました…(34歳 既婚 男性)」
これらのエピソードからは、世代間の結婚に対する認識の違いが浮き彫りになる。
実際に、内閣府の「男女共同参画社会に関する世論調査」では、「結婚は個人の自由だから、結婚はしてもしなくてもどちらでも良い」という認識の是非を世代別に聞いたところ、「賛成」と回答した20~29歳は62.4%、30~39歳は65.1%だった。一方、60~69歳は37.0%、70歳以上は28.6%となっており、上の世代には「結婚はするもの」という価値観が根強いことが分かる。
ちなみに、「結婚しても必ずしも子どもを持つ必要はないか」という設問では、「賛成」と答えた20~29歳は35.4%、30~39歳は32.8%だったが、60~69歳は18.9%、70歳以上は10.4%となっている。子どもの有無に関しても、大きな認識の違いが見られるようだ。
結婚観にこれだけジェネレーションギャップがあるのだから、親や親戚が若い世代の将来を案じ、ついお節介を焼いてしまうことはもう仕方ないことなのかもしれない。
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